
福島県を代表する農産物である「モモ」。全国第2位の生産量を誇り、その品質も高く評価されてきました。
今回ご紹介するのは、若手果樹経営者グループ「ふくしま土壌ネットワーク」。
「桃の力プロジェクト」を立ち上げました。新たな局面を迎えた活動についてお届けします。

今回はその2です。
その1 福島の桃は何が良くて売れていたのか?それを知りたい。 (2016年3月30日公開)
その2 双方向のつながりが出来ればいいと思います。 (2016年3月31日公開)
双方向のつながりが出来ればいいと思います
この「桃の力プロジェクト」はキリングループ東日本大震災被災地支援活動「復興応援 キリン絆プロジェクト」のバックアップを受けています。
なぜこの取り組みが採択されたのか。その理由をキリン株式会社絆づくり推進室の古賀明さんに伺いました。
「弊社で販売しているチューハイ「氷結」で福島県産のモモとナシを使用した期間限定商品を販売させていただきました。
大変ご好評をいただいたのですが、福島県の多くの方から良いものを販売してくれてありがとうと感謝のお言葉を頂いたことが大変印象に残っています。
そういったこともあり、福島県の果樹復興のお手伝いをさせていただければと考えておりましたし、「ふくしま土壌ネットワーク」の取り組みが盛り上がることによって地域のほかの活動にも波及効果があるのではないかという思いもあり、支援させていただきました。」

この“地域が協同で”という視点はとても大事です。認知の高さももちろん重要ではありますが、それ以上に地域の多くの方々に支持されている活動こそが復興の大きなカギだからです。
「大変素晴らしいモモである“あかつき”ですが、一般的な桃のイメージとは正反対の“硬い”モモであるということもあって、残念ながら他県の方々には思った以上にその魅力が伝わっていません。
その“あかつき”の真なる魅力を、6次化加工品を創り上げることも含めて世の中に伝え広げていくことが、大きな波及効果を生み出すと思っています。私たちはそのお手伝いをさせていただければと考えています。」

キリンさんのように、福島県には数多くの企業にご支援を頂いています。
地域の多くの方々、そして支援企業との協同作業によって成り立っているふくしま土壌ネットワーク。
「我々のようなグループも、そして個人の方も頑張っています。それぞれいろんなものがあって、それがいい。同じ方向を向いて自然にやっていくと、自ずとつながっていくんです。」
高橋さんはこの活動の一つの行き先として次のように述べられました。
「楽しい・美味しい・珍しい・使い方がわかる、こういったものは抵抗なく皆さんに受け入れていただけると思います。
我々からの一方的な情報発信ではなく福島のことを思ってくださっている方々からの情報も私たちに届く、そういった双方向のつながりが出来ればいいと思います。」

収穫体験の真っ最中。桃の枝が伸びている方向に引っ張ると上手にモモが取れるんだよというメンバーの農家さんがすっと抵抗なくモモを収穫する実演を見て、
子供たちの喝采に加えて「おおー!!!」と親御さんの歓声が。
副代表の橘内義知さんは
「子供たちが楽しんでいると親御さんも楽しんでもらえる。これがすごくいいですよね。」
と一言。
子供たちの「モモ大好き!」との元気いっぱいの声が聞こえてくる、福島でモモを通じた新しいつながりが生まれつつありました。