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「農家民宿だいちゃん」 奇跡の一本松に近い農家民宿で元気の出るごはんと農業体験!

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だいちゃん

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2015年2月13日

「農家民宿だいちゃん」は、南相馬市の鹿島区烏崎(からすざき)にあります。
少し歩くと海が見え、坂を上った高台にある「だいちゃん」にはさわやかな潮風が吹きます。
到着すると、ご主人の遠藤祐輔さんと奥様のテルエさんが迎えてくださいました。
部屋に通されると、藁で作った相馬野馬追の馬が飾られていました。

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夕方に到着したため、着後一息ついてすぐの夜7時頃から、夕食をいただきました。お料理はテルエさんの手料理です。

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この日のメニューは、干しガレイの焼き物、タマネギとトマトのサラダ、インゲンの味噌和え、コウナゴの佃煮、コウナゴのお吸い物、お漬物などでした。
干しガレイやコウナゴは相馬沖で水揚げされたもの、お米も相馬で栽培されたもの、野菜は全て遠藤さんのお宅で栽培されたものです。いつもその日に揃えることができる材料でお客様に喜んでいただけるよう夕食のメニューを考えるのだそうです。

美味しい夕食をいただきながら、遠藤さんご夫妻からこの土地のことや、宿を始めたきっかけなどのお話をうかがいました。
「農家民宿だいちゃん」は元々遠藤さんのお宅がベトナムからの留学生をホームステイ先として受け入れたことがきっかけとなり、2010年に正式にオープンしました。「だいちゃん」という名前は、祐輔さんのお父さんのお名前「大さん」から付けたそうです。
当初から、南相馬にいらした方をおいしい地元の食材でおもてなししたいという気持ちで、多くのお客様をお迎えしていました。
しかし、2011年に東日本大震災が発生。「だいちゃん」がある鹿島区烏崎地区は津波の被害に襲われましたが、「だいちゃん」のある場所は少し坂を上った小高い場所にあったために被害には遭いませんでした。しかし、この地区の160軒の建物のうち、流されなかったのは、わずか16軒だけでした。
震災後1年間休業し、2012年、再開に至りました。現在は、一時中断していた自宅前の畑での野菜作りも再開しました。こちらで収穫された野菜は、放射性物質の検査をし、安全で安心していただけるもののみを提供しています。
 
ご夫妻のお話をうかがっていると、あっという間に夜もふけてしまいました。まだまだお話しを聞いていたかったのですが、明日の予定もひかえていたので、お風呂に入った後はテルエさんが敷いて下さったふかふかの布団でゆっくりと眠りました。
 
翌朝は、新鮮野菜が並ぶ彩り豊かな朝食をいただきました。

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きゅうりのお漬物や、ほうれん草のおひたし、サツマイモのきんとん、梅干し、サンマの塩焼き、あさりの味噌汁などボリューム満点です!
絶妙なすっぱさが魅力の梅干しは、テルエさんが漬けたものだそうです。
毎食栄養のバランスを考えられた食事は、テルエさんの愛情いっぱいで、食べるだけで元気がでてきそうです!
 
朝食を食べた後は、祐輔さんに津波の被害に遭った場所を案内していただきました。

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震災前、この場所には多くの民家やお店が立ち並んでいたそうです。

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南相馬の「奇跡の一本松」です。津波に耐え、生き延びました。

海はとても静かでした。
この海があの日、大きな波となったのです。胸がしめつけられ、何も言葉が出ませんでした。

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「だいちゃん」に戻った後は、農業体験をさせていただきました。
季節によって体験の内容は変わりますが、この日は里芋の芋がらの皮むきとトマトの収穫でした。あの海を見た後このように農業体験ができることに、復興の確かな足どりを感じました。

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芋がらとは、地面から伸びた赤い茎の部分です。

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引っ張るとスーっと薄皮が剥けていきます。
コツを覚えるとだんだんと早く作業できるようになりました。
芋がらは、剥いたあとに乾燥すると食べることができます。お味噌汁や煮物に入れるととってもおいしいんですよ。

ご主人のお母様、ウメヨさんと一緒に、芋がらの皮むきをしました。
作業をしながら、ウメヨさんがこの場所に嫁いできたときのお話や、農業の厳しさ・楽しさを教えていただきました。

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ビニールハウス内で栽培されたトマトの収穫もしました。
想像していたより簡単に収穫することができました。ビックリするくらい甘くてフルーツのようなトマトでした。

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写真は「だいちゃん」のご主人である遠藤祐輔さんと奥様のテルエさん、祐輔さんのお母さんのウメヨさんです。
色々なお話を聞き、私自身様々なことを感じ、考えた2日間となりました。

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「だいちゃん」のある南相馬市鹿島区烏崎は、津波の被害が大きく、今も建物のない土地が続いています。今回、被害のあった場所にはもう家を建てることはできないので、この地区に戻れない方も多くいらっしゃいます。
そのような中で、震災前の生活を取り戻すために努力を続けている方々がたくさんいらっしゃいます。
実際に見てお話を聞くと、それぞれ考えるところがあると思います。
 
みなさんも、ぜひ南相馬にお越しいただき、実際に自分の目で今の福島を感じてください。

今回お伺いした場所

農家民宿だいちゃん

【住所】福島県南相馬市鹿島区烏崎字宮田25番地
【TEL】0244-46-3161
【定休日】不定休(電話にてご相談下さい)

(記事:みっきー情報員)


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