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シルクの町で小学生の養蚕体験(川俣町)

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シルクの町で小学生の養蚕体験

中通り

シルクの町で小学生の養蚕体験(川俣町)

2014年8月26日

川俣町はかつて養蚕が盛んでした。
外国からの生糸輸入に伴う繭の価格下落や、餌である桑の肥料価格の高騰など様々な要因で養蚕農家は減少し、現在、川俣町には10軒ほどのみになってしまいました。
それでも、現在も川俣町は絹の町と呼ばれ、毎年秋には『絹市』という催し物が行われ、シルク製品が有名です。
私は川俣町の出身ですが、小さい頃は周りに機織り工場がたくさんあり、町の至る所で機織りの音が聞こえていたのを懐かしく感じます。
 
川俣町では、町の伝統産業である養蚕の体験を通して今の子どもたちにも養蚕を知って欲しいと、川俣町立富田小学校の3年生が約18年前から総合学習として取り組んでいます。
今年度は、22名の児童が養蚕を体験しています。

お蚕さん
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6月4日(水)に3000頭の蚕をお迎えし、6月26日(木)の「繭かき」の作業を取材させていただきました。
この繭かきという言葉、あまり耳慣れないのではないかと思います。蚕は、まぶしという井桁に組んだボール紙の箱の中に繭を作ります。そのまぶしから繭を取り外す作業を繭かきというのです。

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蚕小屋にぶら下げられているまぶしを取り外す作業
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蚕の数え方は1頭、2頭…と数えるそうで、蚕は家畜として扱われているのでそのように数えられ、野生では生きられないそうですよ。

こちらは手作りのわらのまぶし。以前は冬の農閑期に作っていたそうです。

わらのまぶし
「シルクボランティア」の皆さん

蚕の飼育は、「シルクボランティア」という以前養蚕農家だった6名の方々に教えていただき、1日に3回、8時・13時・18時にエサの桑の葉を運んで来てもらっているそうです。
温度・湿度の管理が大切で、朝のエサやり時には子どもたちがシルクボランティアの方にわからない事を質問し、授業時間には全員で蚕の観察をしていました。
土日は、3年生の子どもたちが交替で観察をしているそうです。

はじめは恐がっていた生徒達もすぐに慣れ、体にくっつけたりして戯れていたとか。
蚕の事を聞いてみると、「ちょっと冷たくてぷにゅぷにゅしていて気持ちいい!」「可愛かったから、繭になっちゃって淋しい。」などの声がありました。
「桑の葉を食べる時は、パチパチという音がしたよ。」と話してくれました。
 
卵からかえって25日ほど桑の葉を食べ、脱皮を4回行い、体が透明になってくるとそろそろ糸を出し始めるので「上族(じょうぞく)」します。
上族(じょうぞく)とは・・・繭を作らせるため、まぶしに移し入れること。

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まぶしから繭を取り出す作業
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毛羽取りの様子
自動収繭毛羽取機

繭かきの作業は、手動繭かき機と自動収繭毛羽取機で行われました。
どのように作業するのか話を聞いて、みんなで協力して真剣に作業していました。
JAへ出荷するので、丁寧に扱わなくてはならないのです。
今回出荷される約6kgの繭は出荷価格で10,000円ほどになり、1粒の繭から1,000km〜1,500kmの糸が取れるそうです。

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2学期には糸とり(繭から絹糸を取る)、機織り、染色などを行い、どのような商品になるのかまでを学習、3学期には学習した事を振り返り、お世話になった方々への感謝の会を開くそうです。

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シルクボランティアの藤原清さん、菅野清吉さん、齋藤敏彦さん、菅野秀男さん、齋藤和幸さん、齋藤広栄さんお疲れ様でした。
気さくで優しい方々ばかりで、色々と親切に教えていただきありがとうございました。


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