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裏磐梯 夏の風物詩 ジュンサイ(北塩原村)

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夏の風物詩 ジュンサイ

会津

裏磐梯 夏の風物詩 ジュンサイ(北塩原村)

2014年8月27日

ジュンサイ栽培をされている北塩原村の佐藤豊冶さんを訪ねました。
 
佐藤さんがジュンサイを栽培しているという沼を案内していただきました。そこは意外にも家の目の前にある田んぼでした。

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昔は天然のジュンサイが裏磐梯の曽原湖に自生していたのですが、佐藤さんのご記憶によると40年以上前に草魚(草を食べる魚)の被害に遭い、全滅してしまったのだとか。
標高が高い裏磐梯地域では、もともとおいしいお米の栽培が難しかったのだそうで、全ての田んぼがジュンサイ沼に転換し、栽培が始まったのだとか。
ジュンサイはヌルメと呼ばれる、透明な寒天質が多くて、中にある若芽の部分が小さいものほど高級品とされているそうです。
 
ヌルメは若芽を守るクッションのような機能を果たしているため、ジュンサイが成長するにつれて身を守る必要がなくなってくるためにヌルメが少なくなってくるそうで、タイミングをしっかり見てジュンサイを収穫しているのだそう。
標高800メートルの高地で採れる裏磐梯地域のジュンサイは、寒冷な気候と澄んだ山水の恵みによって生み出されるものであり、「これほど上質なジュンサイは珍しいといわれるほどの品質なのですよ」、と、佐藤さんは満足げに沼を見つめていらっしゃいました。

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佐藤さんから「ジュンサイは食べたことあるかい?」ときかれて、即座には答えられませんでした。
確かに食べたことはあるのですが、どうも私が食べたことがあるのは、葉が開きかけた中国からの輸入品だと思ったからです。
 
「まず、小さい方を食べてごらん」と出してくださったものをいただきました。

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葉が小さいジュンサイ

やはり、私が食べたことがあるジュンサイとは全く違いました。
一つ一つのジュンサイを被っているヌルメの食感が想像とは全然違い、弾力があり、かなりしっかりとしていました。

次に「これはちょっと育った大きめのだよ」といわれていただいてみましたが、こちらもまたおいしいのです。

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葉が大きめのジュンサイ

ヌルメは少し柔らかいのですが、葉のコリコリとした食感がたまりません。冷たく、ツルリとした喉越しは夏にピッタリの食べ物です。

これほどおいしい裏磐梯のジュンサイなのですが、中国産のジュンサイが出回ってきたのと、生産者(取り手)の高齢化にともない、現在では生産者は数軒が残っている程度。それも、殆どの農家さんが自家用に栽培しているだけだとうかがいました。
取り手不足から毎年取り切れないジュンサイが沼に残ったままになってしまうそうです。

小舟を操りながらのジュンサイ摘みは、熟練した技術が必要なので、取り手を育てないとこのまま消滅してしまうと危惧されていました。
そんな中、今年に入り、取り手のいなくなってしまったジュンサイ沼を生かそうと、北塩原村の補助を受けて沼の整備と取り手の養成が始まりました。
裏磐梯の夏の風物詩「ジュンサイ摘み」の風景がいつまでも続いていくことを願います。

佐藤豊冶さん
佐藤豊冶さん

ジュンサイ摘みをまずは体験してみたいという方には体験プログラムの用意があるとのことです。
興味のある方は是非北塩原村の農林課にお問い合わせください。

今回お伺いした場所

北塩原役場 農林課

【住所】福島県耶麻郡北塩原村北山姥ケ作3151
【TEL】0241-23-1334

 


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