自然放牧で育つ元気な乳牛　金子牧場（下郷町）

今回は下郷町の酪農家さん、「金子牧場」さんへおじゃましました。
　
こちらは自然放牧で乳牛のホルスタイン牛とジャージー牛が飼育されています。
昭和33年の開業当初は8頭だった牛が、現在では70頭になったとか。
季節により、牛舎と草原を自由に行き来できる状態で飼育されている牛は、足腰が丈夫で、ストレスも少ないことから、牛舎のみで飼育されている牛より乳の量も多く長生きだと仰っていました。

牛舎の中では、黒と白の柄が見慣れたホルスタイン牛と、性格が穏やかといわれているジャージー牛が向かい合わせの状態で飼育されていました。
　
穏やかな性格とはうかがいましたが、初めて傍で見る牛はとても大きくて、迫力がありました。

ジャージー牛は確かにおとなしくて、頭を撫でることもできますが、ホルスタイン牛の方は警戒心が強く、撫でることは無理でした。

そういう理由からも、ジャージー牛を飼育している酪農家さんは少ないとうかがいました。
ジャージー牛を飼育している目的は無添加で質の高い加工品を作ることだったそうで、平成21年、道の駅のオープンに合わせて、アイスクリームやヨーグルト等の加工品の製造も始めました。
　
搾りたての生乳で作るアイスクリームやヨーグルトは主に地元で売られていますが、すぐに完売してしまうほどの人気です。
素材の良さが伝わってくるアイスクリームは、口にした瞬間は濃厚な風味がありながら、後味がさっぱりとしています。
濃厚で芳醇な香りと味わいのヨーグルトは、クリームチーズのような食感です。

生き物を扱う酪農業は年中無休の忙しさ。それでも、「酪農は楽しい」とおっしゃる金子さん。
春になると若草が伸び、牛の餌を作り、乳を搾るというように、仕事内容はバラエティに富み、なんといっても牛との繋がりは離れられない魅力があると話してくださいました。
「この魅力も語り継ぐからこそ、酪農家はしっかりと後継者がいるという家が多いのです。」と。
　
震災から3年が過ぎ、現在の状況をうかがったところ、「今年になってやっと落ち着いてきた感じがする」とおっしゃっていました。
　
震災当初はいくら会津とはいえ、風評による影響はありました。
牛乳は出荷停止の状態の中、止むに止まれず、餌の量を減らし乳の出を押さえなくてはならない状態にもなったと話されていました。
結果、自然の摂理に反した飼育を余儀なくされた牛はホルモンバランスを崩して妊娠しないという厳しい状況におかれた時期もあったとも。
　
そんな時期を乗り越えて、命を見守りながら、3年目の今に辿りついたのですね。

※金子牧場さんの乳製品は下記の店舗で販売されています。
　
○道の駅「しもごう」～Emattoエマット～
【住所】福島県南会津郡下郷町南倉沢字木賊844-188
【TEL】0241-67-3802
【URL】http://www.aizu-concierge.com/map/spot/10119/
　
○まちの駅下郷町物産館
【住所】福島県南会津郡下郷町大字弥五島字道上3177番地
【TEL】0241-67-4433
【URL】http://www.aizu-concierge.com/map/spot/10452/
　
○藤の郷直売所よらっしぇ　
【住所】福島県南会津郡下郷町大字湯野上字五百地乙190-1
【TEL】0241-69-5586
【URL】http://www.aizu-concierge.com/map/spot/10455/