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自然が作り出した優しい味「あんぽ柿」(国見町)

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自然が作り出した優しい味「あんぽ柿」

中通り

自然が作り出した優しい味「あんぽ柿」(国見町)

2014年2月5日

福島県ではあんぽ柿が吊るされている風景は、冬の風物詩にもなっています。
私も冬になるとその姿を思い浮かべます。
 
震災の影響で2年間加工を自粛し、3年ぶりに出荷が再開された伊達地方の「あんぽ柿」。
震災前までは福島県のあんぽ柿・干し柿の出荷量は全国2位でした。(農林水産統計データより)
全国にもファンが多かっただけに残念でしたが、加工再開モデル地区での出荷が再開されました。
 
国見町のあんぽ柿農家の佐久間敏雄さんにお話を伺いました。
50年ほど前から加工を始め、跡を継がれました。
徐々に柿の栽培面積を増やし、現在は約80アール。
生産量も増え、加工場・干し場を新築され、これからという時に震災が起き、加工を自粛しなければならなくなってしまったそうです。
いつ再開できるかわからない状況でも、除染や剪定などの手入れを怠らず、実った柿を落として廃棄し、美味しいあんぽ柿をいつでも作れるようにしていました。
心待ちにしていた3年ぶりの再開。嬉しい気持ちと不安で複雑な想いだそうです。

出荷しても売れるのか。
たくさん出荷しても放射性物質検査機器の全量検査は対応出来るのだろうか。
などの不安を抱えながら製造しているそうです。
「再開しても以前のように戻るには時間がかかります。1歩ずつゆっくりとですね。」とおっしゃっていました。
 
干し場を案内していただきました。

あんぽ柿の製造工程
(1)柿の収穫
(2)選別
(3)皮むき
(4)連作り(縄等に取り付ける)
(5)硫黄燻蒸(酸化防止等に効果があり、きれいな色を保ちます)
(6)柿を干す(自然乾燥20日以上)
遠赤外線乾燥(半日~2日)[佐久間さんは導入しています]

昔ながらの風景である、柿が縦に並んだ「縦吊り」から、現在は縄の両端を固定して平らに吊る「横吊り」が一般的となっています。
 
「横吊り」にすることで、縦に吊していた時のような縄が柿に当たって傷むことがなくなるんだとか。

遠赤外線乾燥により濃厚な味になり、熟成させることにより柿の旨みが濃縮。やわらかくて美味しいあんぽ柿が出来上がりました。

国見町のあんぽ柿農家 佐久間敏雄さん

『自然の中ではぐくまれた美味しさを届けたい』
 
あんぽ柿になる柿には平核無(ひらたねなし)と蜂屋(はちや)の2種類があり、平核無は1月下旬まで、蜂屋は2月下旬まで出荷されます。
自然の優しい甘さでホッとする味のあんぽ柿を是非ご堪能ください。


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