山桜の里として知られている、下郷町戸赤地区に行ってきました。
おじゃましたのは、先日開催された、「花豆パイのお披露目会」で出会った星さんの畑です。
戸赤地区に近づくにしたがい、赤い花をつけた「花のアーチ」が見えてきました。
「花豆」と名づけられた意味がわかりました。
とても可愛らしい花を咲かせているんです。
星さんの畑の花は赤だけでしたが、白い花も時々混ざるそうです。
花は7月の始め頃から2週間以上咲き続け、10月に入ると、収穫が始まります。
戸赤地区では、20軒ほどの小さな集落の半分の世帯で「花豆」を栽培しています。
とはいえ、地区の半数以上の世帯が70歳以上の高齢世帯です。
80歳を越えた、おばあちゃんもいらっしゃいます。一人で、植え付けから収穫までされているそうです。
花豆は粒が大きいので、乾燥にも時間と手間がかかり骨が折れる作業だと伺いました。
「花豆」は標高500メートル以上の高地で多く栽培されています。
戸赤地区は標高650mの場所にあり、栽培には適した気候だそうです。
それでも、「花豆」の栽培はとても難しいと伺いました。
お隣同士の畑でも出来具合は全く異なった結果となるそうです。
気候の影響とも言い切れず、その理由は何年栽培していてもはっきりとはわからないそうです。
10月の収穫を迎えるまでは安心できないとおっしゃっていました。
花豆は、震災の影響も殆ど受けずに順調に取引されたそうです。
<モニタリング検査用の豆を農林事務所に提出し、その結果を販売先に掲示するという流れを経てのことです。
私 :「花豆パイも完成しましたし、どんどん、忙しくなりますね」
星さん:「今までのようにのんびりやってられないな~、神経使うし、本当はのんびりやっていたいんだよ」
私 :「え? 村おこしは歓迎ではないんですか?」
星さん:「生い先短い自分たちにとっては疲れるだけだが、戸赤を子供たちのために残したいからな~」
私 :「でも、都会に出たまま戻っていらっしゃらないかも知れませんよね」
星さん:「今まではそう思っていたんだけど、震災があって思ったんだよ。
ここを守っていつでも帰って来れるようにしようと。地盤が岩の戸赤は震災の時もビクともしなかった、
きっと帰って来るよ。」
そうですね、震災後は、故郷は遠きにありて思うもの・・・
ではなく、いつでも帰って来れる場所になってきていますね。