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苦難乗り越え・・・笑顔と共に夫婦で歩む第二の人生(いわき市)

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「揺れもおさまったのでトラックにいちごを積んでいたらパトカーが来て“早く逃げて!”と言うので車で慌てて避難した。
振り返ってみると農園に津波が迫っているのがはっきり見えた。」

いわき市平藤間地区でいちご農園を営む高木邦広さんは震災時を振り返り、そう話してくれました。

6年前にそれまで勤めていた会社を退職、転職先として農業の道を歩む決心をした高木さんは、
福島県農業短期大学校の就農研修や「いわき営農塾」で農業を一から学んだ後、平成20年4月にいちご栽培を始めました。
それまでは専業主婦をしていた奥さんの裕子さんと共に試行錯誤を重ねながら迎えた12月の初収穫。
不安な気持ちもあったそうですが出来は上々で、とても美味しくできたそうです。
確かな経験を積んだ高木さんは次の収穫に向けてハウスの規模を拡張。そんな矢先での被災でした。

震災翌日に農園に向かった高木さんの目に写ったのは一面を海水に浸されてしまったハウス内。
結局栽培中のいちごは全滅してしまったそうです。
水がひいてからは懸命に復旧作業を行い、ようやく土中の塩分濃度が作付け可能な数値になりました。
迷う気持ちはありながらも意を決してハウスを再建、栽培を再開しましたが、
葉が変色して枯れてしまうなど塩害の影響は深刻だったそうです。
震災から2年が過ぎた今もその影響は消えてはいませんが、それでも明日に向かって懸命に栽培を続けています。

そんな高木夫妻が栽培しているのは「とちおとめ」と福島県のオリジナル品種である「ふくはる香」。

 

「とちおとめ」が甘みと酸味のバランスのとれた力強い味であるのに対し、
「ふくはる香」は美しい円すい形と包みこむようなソフトな甘みが特徴です。

また、高木さんの農園では苗を育てる段階で「夜冷育苗」という方法も行っています。
夏場の夜に強制的に低温管理するなど手間のかかる方法ですが、通常より早い時期の出荷が可能となり、
より幅広い収穫を得るために意欲的に取り組んでいます。

 

「最初は何もわからないまま始めたので大変で、“やめたいー”と何度も思ったけど(笑)。
美味しいと言ってくれる方の笑顔を見てると嬉しくて、以前よりも生活にハリがでて、
今ではやりがいを感じています。」と話すのは裕子さん。

明日に向かって笑顔!

明るく快活な裕子さんと、温厚な邦広さん。
ご夫婦の素敵な笑顔にとても温かな気持ちにさせて頂きました。
二人三脚でいつまでも頑張ってください!


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