横浜市の住宅街で、塙町で育った大豆を使った手作り味噌、いわゆる「手前味噌作り」の実践講座が開かれました。
このイベントは、福島県県南地方振興局が主催する東白川都市交流促進事業の一環、
「結いの交流」プログラムによるもので、運営をNPO法人「あぶくまエヌエスネット」が担当しています。
会場となった南万騎が原自治会館に伺うと、塙町でリンゴ農園と味噌作りを営む相良次彦さんの指導の下、
たくさんの人々が大きなビニール袋に入った大豆と麹を、両手で押しつぶしたり揉んだり、
足で踏んだりして混ぜ合わせる作業に取り組んでいました。まさに本格味噌作りの出前講座です。
煮て潰した大豆と麹を混ぜ合わせます 足で踏んで混ぜ合わせます
集まったメンバーは、昨年6月の種まきから始まって、収穫、選別などを
塙町に出向いて行った首都圏の人たちや南万騎が原自治会の方々、
そして県南地方の魅力を伝えようとやってきた塙町や鮫川村など東白川郡在住の方々です。
身体を目一杯つかう味噌作りのお陰か、会場は和気藹々の雰囲気に溢れています。
みんなで仲良く共同作業です 会場の一画では県南の食材の販売も
運営の主体になっているあぶくまエヌエスネットの理事長で鮫川村在住の進士徹さんは、もともとは東京の出身。
大学を出て東京で働いていましたが、子育てのことを考えて26年前に鮫川村に移り住んだという経歴の持ち主です。
近隣の方に農業を教わりながらの暮らしは、進士さんに都会では味わえない感動を与えてくれたと言います。
そしてそれを、都会で暮らす多くの人にも感じてもらいたいとの思いから、
都市部と地方との間のさまざまな交流事業を手がけてきました。
「東白川には目立った観光スポットはありませんが、だからこそ農山村の暮らしに根ざした里山文化が息づいています。
その里山で都会の人が忘れてしまった人と自然の触れあいを思い出してもらおうということで、
平成18年から県南地方振興局とタッグを組んで『農的暮らしセミナー』などの都市交流事業を始めました。
一昨年の震災でいったん途絶えてしまいましたが、
都会の人に福島の現状を見てもらうことが末永い心の交流につながるのではないかということで、
新たに『結いの交流』と名付けて昨年、再開にこぎ着けたのです」と進士さん。
「結いの交流」は、都市部の人に県南地方に来てもらい農作業を体験してもらったり、
逆に県南地方在住の地元指導者の方々が首都圏に出向いて地元料理の手ほどきをしたりという双方向の交流事業。
お互い密接な結びつきができるので、参加した人たちの県南地方に対する思い入れは深いものとなるようです。
一連の交流事業の立ち上げから関わってきた畦田堅持さんもその一人。
「トラクターを使って休耕地を復旧したり傾いた物置を修復したりという体験は都市部の人から見ると非日常のことが、
田舎の人にとっては日常のことなんですね。
私もそういう作業を通じて地元の人と交流を重ねてきたので、もう東白川に行くのは親戚に会いにきたような感じ」と言います。
この交流事業には畦田さん以外にも常連さんが複数いますが、
そうした方々の存在が首都圏で県南地方の魅力を伝えることにも繋がっているようです。
この日、味噌作りが一段落した後は、県南地方から駆けつけた指導員の方々が用意した地元料理で仲良く昼食。
一緒に食事をするとより親密さが増します!
そして午後からはこれまでの交流事業の内容を振り返りつつ、
原発事故後の交流をどのように進めていくかについてパネルディスカッションが開かれました。
活発な意見交換の様子を見ていると、県南地方の熱心な応援団がこんなにも首都圏にいるということを痛感し、
とても心強く感じました。
東白川の人々と首都圏の人々とで、県南地方の魅力と交流事業の有意義さを議論!
この日みんなで作った味噌は、ひと夏こえて熟成が進んだころが食べ頃になるそうです。