2月24日の日曜日、第7回目となる「東京マラソン2013」が開催されました。
10キロレース参加の500名を加えると、なんと3万6000人ものランナーが集うビッグレース。
さらに観戦者や応援団も含めるとその数倍の人が、
スタートの東京都庁からゴールとなる東京ビッグサイトの間に押し寄せることになる超ビッグイベントです。
これにあわせて、コース沿道では「東京大マラソン祭り2013」と称してさまざまなイベントが開催されました。
その中で注目したのは、東京ビッグサイトに近い有明イーストプロムナードで開催されていた、
福島、宮城、岩手の被災3県の物産販売ブースです。
ゴール地点のすぐ間近なだけに、たくさんの来客が見込まれます。さっそく取材に向かいました。
ゆりかもめの有明駅を降りて少々歩くと、ありました、ありました。
東京ビッグサイトをバックに、福島や宮城の名の入った幟がたくさん立っています。
ところがその手前にたくさんの人だかりが。
何に集まっているのかと覗いてみれば、そこにいたのは「八重たん」でした。
昨年から各地で活躍してきた八重たんですが、大河ドラマ「八重の桜」の放送が始まり、
ますます人気がアップしているようです。
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奥に見える東京ビッグサイトがマラソンのゴール 八重たんはどこでも大人気
いよいよ幟の立ち並ぶエリアに向かうと、目に飛び込んできたのは2台の「福島フードライブ」キッチンカー。
福島フードライブとは福島県の移動型アンテナショップのこと。
なかでもキッチンカーは、首都圏各地で県産品を使った料理を移動販売しているのです。
この日、有明に登場したキッチンカーは、
“会津地鶏”を使用した親子丼を提供する会津坂下町の養鶏業者・GAizu信さんによるものと、
「いわき復興トマトカレー」のいわき福島復興オフィスさんによるものでした。
ちょうどこの日は寒風が吹き荒れ冷え込んだせいもあってか、どちらのキッチンカーにも次々とお客さんが押し寄せます。
私もさっそく親子丼を求める行列に加わりました。
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そして手に入れた親子丼がこれ。「とろふわ親子丼」を名乗るだけあって、卵の柔らかさが絶妙です。
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会津地鶏のくんせい卵もおいしそうです これが絶品の親子丼
会津地鶏は、平家の落人が会津に持ち込んだ愛玩用の鶏が起源と言われていますが、
この鶏をGAizu信さんでは自由に地面を動き回れる平飼いで育てているそうです。
飼育方法にそれだけこだわっているだけあって、その肉はしっかり引き締まっていて鶏の旨味が堪能できました。
さらに驚いたのは卵の味。実にコクがあるのです。さすが県のブランド認証産品です。
大食漢の私は、「いわき復興トマトカレー」も並んで買い求めました。
「このカレーに使用しているのは、とまとランドいわきさんのトマトとパプリカ、
それからいわき菌床椎茸組合さんのいわきゴールドしいたけなんです」(いわき福島復興オフィスの池端達朗さん)。
トマトベースのカレーソースは、トマトやパプリカの甘みがありつつスパイスも絶妙な加減で利いていて
親子丼を食べたばかりだというのにぺろりといただけました。
こりゃあ、どちらも次々とお客さんがやってくるはずです。
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復興トマトカレーのキッチンカー池端さん これが復興トマトカレーの全貌です
キッチンカーの隣には鏡石町のイチゴやリンゴを扱うブースもありましたが、こちらも大人気。
イチゴを箱買いしていくお客様の姿を何人も見かけました。
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春を感じさせる真っ赤なイチゴに…… 数分後にはこの人だかり!
どのコーナーもたくさんのお客様が列をなしてくれていましたが、ある出店者の方の言葉が印象的でした。
「以前は、『被災地支援のために』ということで買っていってくれるお客さんが多かったのですが、
この頃ではほとんどのお客様が『モノがいいから』『おいしいから』ということで買っていってくれる。
それ自体はいいことではありますけど、半面、震災の記憶がもう風化してきているということ。
地元はまだまだ復興というムードにはなっていないんですけどね。」
確かに、原発事故を契機に福島県産品に抱いたネガティブなイメージを改めてくれている人々は増えているようです。
しかしそれでもまだまだ風評によるダメージから回復できてはいません。
マラソンのように、全国の人々の記憶を風化させないために息の長い活動をしていくこと――
これもこれからの大きな課題です。