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ピンチをチャンスに!夢を叶えた酪農家(喜多方市)

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先日取材させていただいた、会津中央乳業さんへ原乳を納めている酪農家の小池牧場さんへお邪魔しました。
喜多方市の雄国山麓で、50頭の乳牛を育て、毎日1トンの原乳を出荷しています。

 

まず、牛舎へ案内していただいて驚いたのは、牛舎の清潔さと、牛の毛並みの良さです。
本当に牛を大切に育てていらっしゃるのだと感じました。

第24回(平成18年度)全農酪農経営体験発表会において、奥様の佐代子さんが発表した取組みが、
優秀賞を受賞されたと伺い納得です。
「良質の粗飼料(牧草や青刈りの作物)の生産に力を入れ、病気と繁殖障害を防ぐことを中心に、
牛にやさしい酪農経営の実践、酪農体験牧場としての開放をアピールしたことが、受賞の要因だった。」と
佐代子さんが話してくださいました。

 

現在も続いている震災の影響について伺いました。
まず、「会津の酪農家さんはまだまだ震災後の出荷制限の影響から立ち直れていない。」
とおっしゃいます。

震災後、酪農家に対して、原乳の出荷制限措置がとられたために、毎日1トンの原乳を捨てる日々が続き、
そして、捨てる量を減らすために、餌の量を半分にするということが行われたそうです。
一度少なくなってしまった乳量は簡単には戻らず、
更に、夏の暑さに弱い乳牛のホルスタインは体力が落ちていたこともあり、
死んでしまった牛もいたそうです。
また、繁殖にも影響し、出産量も減ってしまったそうで、それは現在も続いていると伺いました。

幸い、小池牧場さんの牛は元気だそうで、子牛も3頭生まれています。
理由は、「お産後でお腹を空かせて泣く牛の餌を減らすことは偲びなく、餌の量は極力、減らさなかったから。」
とおしゃっていました。

そして、震災後、思いがけずチャンスも巡ってきたそうです。

酪農体験用宿泊施設の建設資金の融資が決まったとのこと。
震災前は認められなかった融資ですが、風評被害の払拭につながることや、
酪農家の方々が前向きになれるような企画は応援したいということでまとまったと伺いました。
長年の夢が叶ったわけです。
「震災後良い方向へ転換でき、希望が見えてきました。」とおしゃっており、本当に良かったです。

 

小池さんのように、プラスの方向へ進んでいけるか、逆にここで後退してしまうかは、
将来に対して、いかに希望をもてるかだと思いました。

厳しく続く風評被害に負けずに、未来へ繋がる元気な牛を生産し続けられることを願わずにはいられません。

 

小池牧場
【住所】福島県喜多方市熊倉町都字東道地丙1773


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