皆さんは「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」をご存じでしょうか?
虫?草?名前は聞いた事はあるけれど、どんな物かはよくわからないという方もいるのでは?
冬虫夏草は、虫に寄生して成長する希少なキノコで、その栄養価の高さから古来より非常に珍重されてきました。
冬に土の中にいる幼虫などに寄生し、夏にその虫が発芽しキノコとなって生えてくることからこの名前が付いたそうです。
その特異な性質から、植物性たんぱく質(キノコ)と動物性たんぱく質(虫)の両方を併せ持ち、
豊富なアミノ酸を含んでいるため、多くの健康飲料や栄養補助食品の原料としても使われています。
かの始皇帝や楊貴妃が愛用していたなんていう話も。
そんな貴重な冬虫夏草を人工栽培しているのが、東白川郡棚倉町にある「東白農産企業組合」です。
代表理事の鈴木文夫さんに話を伺いました。
棚倉町で樹脂部品、金属部品等を製造する会社を営んでいた鈴木さんが冬虫夏草の栽培を始めたのは平成13年のこと。
福島県主催の特許説明会で冬虫夏草の人工栽培の話を聞き、興味を持った知人らと共に1年間栽培の実験を行い、
企業組合設立に至りました。
東白農産企業組合では、八溝山などで採取された冬虫夏草(ハナサナギダケ)の菌株を蚕のサナギに人工培養、
約75日間かけて栽培し、最終的には錠剤や粉末の状態で販売しています。
栽培にあたって特に苦労したのが雑菌の駆除。わずかな雑菌も入り込ませないように専門家を呼び、
1年もの試行錯誤の末に量産体制を確立させ、今では注文に対して生産が間に合わないほどに。
今後は更なる設備投資も視野に入れているとの事です。
「震災後、風評被害などの影響・苦労はやはりあります。それでも安心して皆さんに買って頂けるように努力して、
冬虫夏草を福島から日本中に広めていけるようにしたい。」
そう話す鈴木さん。
近年では岩手大との共同研究により、福島県産の蚕のさなぎで培養したハナサナギタケが、
脳内の老化を引き起こすとされる「グリオーシス」を修復させる効果があることをマウス実験にて世界で初めて確認。
ヒトの認知症の予防や治療への応用に着手したり、冬虫夏草入りパンの開発・販売に取り組むなど、
新たな展開を目指し精力的な日々を過ごされています。
「イキイキと充実した日々を」
毎日冬虫夏草を飲んでいるという鈴木さん。
ハツラツとした表情でメッセージを頂きました!
東白農産企業組合
【住所】〒963-5664 福島県東白川郡棚倉町大字塚原字強清水7
【TEL・FAX】0247-33-9278