下郷町戸赤(とあか)地区の「木地小屋」で、木地師の小椋さんのお話を伺ってきました。
戸赤は300年以上前から木地製作が盛んな地区で、地区合併される以前の地名は「木地小屋」でした。
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「木地師(きじし)」とは
「ろくろ」と「ろくろ鉋(カンナ)」を操り、漆器の素材となる原木を加工する職人のことをいいます。
昭和30年代以降は安価なプラスチックの普及に押され、需要が少なくなり、
ろくろを回すための動力として動かしていた水車も回らなくなっていました。
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戸赤地区では、村おこしの一環として、
木地師の伝統を伝える水車式木工ろくろを再現することになり、
小椋さんは、それに合わせて、自宅を改築、木地挽きの体験ができる「水車式木工ろくろ工房」も完成させました。
小椋さんは、子供の頃から馴染みのあった水車が回る風景を再現できて、
本当に嬉しいと話されていました。
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木の器の良さは「熱の伝わり方が優しいこと」とおっしゃいます。
どんなに熱い汁物をよそっても、お椀の熱さは体温程度です。
木のまな板は最近では使う人が減ってしまいましたが、プラスチック製にはない
安定感があるので、是非使ってもらいたいとおっしゃっていました。
特に桐のまな板は軽いという面でも、扱いやすいそうです。
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大工さんの経験がある小椋さんの木を見る目は確かです。
良質な木を仕入れて、一年以上屋根裏で乾燥させてから、木地挽きが始められます。
原木を削り、磨き、漆をかけ、更に磨く時間と手間を惜しげなくかけていく作業です。
震災後は学生の体験学習も減ってしまい、平日はお客さんが殆どみえない状況です。
その現象は昨年より、今年の方が深刻だそうです。
「来年の山桜が咲く頃にはお客様が戻ってくれるはず、今は焦らずにのんびりやっていきます。」
とおっしゃる小椋さんと奥様。
囲炉裏では、ご飯をつぶして、じゅうねん味噌をたっぷり塗った郷土料理の「しんごろう餅」が焼かれています。
懐かしい味がする「すいとん」も本当に美味しかったです。
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「この仕事が好き」という、おふたりの思いが居心地良く感じ、ついつい長居をしてしまいました。
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雪が降ったら山桜の咲く春まで休業に入ります。
春が待ち遠しい木地小屋です。
木地小屋
【住所】〒969-5312 福島県南会津郡下郷町大字戸赤字竹の子下856
【TEL】0241-67-4399
【営業時間】午前9時から午後16時まで
【定休日】毎週水曜日 ※11月下旬~4月中旬まで休業
・木地引き体験(要予約) 1500円~(材料により異なります)
・しんごろう 1本 150円
・すいとん(要予約) 1杯 300円