伊達市梁川町の東大枝地区で果樹栽培をされている酒井政則さんの畑にお邪魔しました。
畑の広さは1.8ヘクタール、ご夫婦2人で作業しています。
栽培している果物はもも、ぶどう、梨、りんご、柿です。
出荷額の半分はあんぽ柿でした。
「あんぽ柿」の名前の由来は、皮をむいた柿を天日に干すことから「天干柿(あまぼしがき)」 と呼ばれ、
それが明治時代に「あんぽ柿」と呼ばれるようになりました。渋い柿を干すことで 甘くなることを意味する
「甘干柿(あまぼしがき)」から「あんぽ柿」となったとも言われ ています。
現在は、天日ではなく施設で乾燥させ加工しています。
あんぽ柿と干し柿の試作品の放射性物質検査を県が実施したところ、
一部で国の基準値(1kgあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたため、
今年産のあんぽ柿と干し柿の加工を自粛するように要請がありました。
高圧洗浄機による除染作業など、今年こそ出荷出来るよう、努力を重ねて来ただけに残念でならないそうです。 ですが、生柿と渋抜きの柿は、そのようなことはありませんでした。
栽培している柿の品種は、蜂屋、平核無(ひらたねなし)です。
蜂屋・・・・あんぽ柿に使われる柿ですが、生柿で食べる事も出来ます。
焼酎で渋抜きすると、とろけるような食感で濃い甘さになります。
平核無・・・出荷時に渋抜きを行うことで甘くなります。
たねなし柿で果汁が多くてやわらかく、甘くてまろやかな口当たりです。あんぽ柿に使われることもあります。
これから生柿の収穫と出荷が始まります。
このような平核無も栽培しています。
平核無ですが、樹上脱渋柿といって木になっている柿にナイロン袋をかぶせ渋抜きをすることで糖度が高くゴマが入り、
他の柿と違った雰囲気を味わうことができます。
震災後は贈答のお客様が例年の1割に減ってしまいました。
そこで酒井さんは自分の足で販売先を探し、今は逆に足りなくなってしまう事もあるそうです。
いい物を作っていれば売れるという事を確信し、おととしよりも、去年よりもという気持ちで作業に専念しています。
「福島を意識して食べるようになり、改めて福島の果物の美味しさに気付きました。」と励ましの手紙をいただいたり、
「お宅のは味が違うね!」と言ってくださったり、味をわかってくれるお客さんに恵まれとても嬉しいそうです。
今年も使われることがなくなったあんぽ柿の加工施設。
福島のあんぽ柿が食べれる日が早く来ますように・・・