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未来へつなぐ人と種~会津伝統野菜~ 長谷川純一さん(会津若松市)

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会津

未来へつなぐ人と種~会津伝統野菜~ 長谷川純一さん(会津若松市)

2016年12月2日

会津伝統野菜の種を未来へとつなぐために

会津地方で古くから栽培されている、会津小菊南瓜、余蒔(よまき)胡瓜などの野菜は会津伝統野菜(※)と呼ばれ、それらは現在まで種に手を加えることなく受け継がれてきた希少な在来種です。
この会津伝統野菜を含めた会津の食文化を後世に残していこうと活動を続けていらっしゃる長谷川純一さんにお話しをうかがいました。

 
初めてお会いした4年前の取材時には会津伝統野菜の生産者が少なく、このままでは途絶えてしまうという危機感や種をつないでいくということがいかに大切かをお聞きしました。
その後、「人と種をつなぐ会津伝統野菜」という会を設立され、伝統野菜を後生につなぐという意志のもと、活動されてきました。しかし、会津伝統野菜の種は販売されているわけではなく、毎年種を採取し、翌年に植えるということを繰り返し、未来へとつなげていかなくてはなりません。
そこで、ジーンバンクとしての役目を担ってくれたのが、会津農林高校農業園芸科野菜専攻班の生徒でした。
平成26年からは、長谷川さんによる会津農林高校の生徒への会津伝統野菜の栽培法の指導も始まりました。

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会津小菊南瓜(あいづこぎくかぼちゃ)
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福光赤すじにんにく
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余蒔(よまき)胡瓜

農業を通して子供たちへ伝える長谷川さんの想い

地域の子供たちを交えた春の田植え作業から始まり、幼稚園児との会津伝統野菜の植え付けや小学校での農業指導の他、地元の小中学校給食に会津伝統野菜を取り入れるための働きかけなど、長谷川さんは、農業を通して子供たちに思いを伝えようと、精力的に活動しています。
また、長谷川さんに連れられて、幼稚園や学校、地域のイベントに参加するようになった会津農林高校生のみなさんも、丸2年が過ぎた今では農業技術はもちろんのこと、幼稚園や学校への訪問の際の挨拶、取り仕切りなども長谷川さんや先生の助けを借りることなく成し遂げるようになり、その姿は自信に満ちていました。
 
その姿を一緒に見守ってきた地域の農家さんも、「最初は危なっかしかったけど、こんなに立派に成長して〜」と目を細めていらっしゃいます。

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子供たちのために作り、守っていくふるさとの味

そして、会津伝統野菜を通して、種を守ること、会津の食文化とふるさとの味をしっかり残していきたいという長谷川さんの思いは高校生たちの手によって広がりをみせています。
卒業後は就農する生徒や農業大学へ進学する生徒、観光業に携わる生徒など様々ですが、会津伝統野菜を広めていきたいという、ひとつの思いでつながっています。
これからの夢は大きく、地域全体を巻き込んで、会津の農業、風土を世界農業遺産として登録されることを目指しています。
ここまですばらしく成長した生徒を誇らしく思い、その生徒に夢を与え、導いた長谷川さんの一途な思いである「夢は叶う!」の言葉に胸が熱くなりました。
 
「君たちがいつでも帰ってきたくなるように、食べたいと思うふるさとの味をしっかり創っていくから!そして、そんなふるさとの味を知らない、帰るふるさとがない人がいたら一緒に連れてきてあげなさい。」との長谷川さんからの言葉に送られ、生徒たちは巣だっていきます。
 
豊穣の里・会津が誰もが帰りたくなるような地であり続けますように願います。

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※会津伝統野菜
「余蒔(よまき)胡瓜」・「会津小菊南瓜(あいづこぎくかぼちゃ)」・「 会津丸茄子」・「真渡瓜(まわたうり)」
「荒久田茎立(あらくだくきたち)」・「ちりめん茎立(くきたち)」・「雪中あさづき」・「会津地葱」・「慶徳玉葱」・「かおり枝豆」・「立川牛蒡」・「舘岩蕪」・「会津赤筋大根」・「アザキ大根」・「とろいろ青豆」・「福光赤すじにんにく」・「会津人参」等


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