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福島県会津地方。そこには、連綿と受け継がれてきた地方種の農作物とその栽培法が存在しています。
しかし、効率化・大量生産などの生産・流通・消費各方面の求めるニーズに押され、生産量は減っていき、その存在自体が忘れられようとしていました。
そういった状況下、地域の学び舎とのつながりをきっかけとして、少しずつ希望の光が差し込んできたのです。
そんな会津の伝統野菜と福島県立会津農林高等学校(以下、会津農林高校)の素敵なご縁をご紹介します。
今回はその3です。
その1 地域に根付いた“循環”を見つめなおす (2016年4月21日公開)
その2 美味しさだけでなく“あたたかさ”も伝えられる (2016年4月22日公開)
その3 場を創り上げるのが大人の役割 (2016年4月25日公開)
会津伝統野菜の栽培を後世に伝え、経営としても自立できるようなシステムを構築すべく日々取り組んでいる農家の長谷川純一さんに、会津農林高校との取り組みについて、お話を伺いました。
「会津伝統野菜を生産し続ける、繋いでいくという取り組みは、そういった伝統野菜が残っている所でしかできない、その思いで前を向いて進んできました。しかし、ギリギリの状況でした。」
例えば、会津伝統野菜の一つ、余蒔胡瓜(よまききゅうり)は一度栽培が途絶え、平成20年に種を保存する機関であるジーンバンクから、もう一度地元の農家に配られて復活した品種。
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しかし、最近の品種と比べて5分の1程度ともいわれる生産量の少なさ、実の揃いの悪さ、調理法を選ぶ個性の強さなどから販売面では苦戦を強いられていました。
「そんな中で会津農林高校の生徒さんたちと一緒に会津伝統野菜に取り組む機会に恵まれました。生徒の皆さんは会津伝統野菜のことを活き活きと伝えてくれます。
そしてその姿を大人が注目するようになり、まったく見向きもされなかった会津伝統野菜を手に取ってくれる。そのことを見て会津伝統野菜に取り組んでくれる生産者も増える。本当にうれしい限りです。」
と微笑まれる長谷川さん。高校生を軸としたいい循環が生まれていることに手ごたえを感じているようです。ただそれで満足してはならないと長谷川さん。
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「会津伝統野菜で生計を立てられるという意味ではまだまだです。会津伝統野菜の生産を軸とした生産法人のような働ける場所をつくり、そこで培ったことを独立したときに現場に還元できる、そして生計を立てるだけではなくライフスタイルも提案していく、そういった場を創り上げるのが大人の役割だと思っています。」
生徒たちと一緒に農作業をし、様々なアドバイスをする長谷川さんの姿は、とてもうれしそうです。
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江川先生は生産・加工・流通・販売といった“農業と食”という分野だけに良い影響がとどまらないことを教えてくれました。
「農業生産をするという道ではなくて観光業に携わるという生徒なのですが、会津伝統野菜のことを知ったことで、これを観光プロデュース化して仕事としてPRしていきたいと言ってくれました。」
若い力というものは、周りを元気づけ、大人達が行動する原動力になるものだと心強く思いました。
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