
2015年9月9日
以前、慶徳玉ねぎとの出会いを記事にさせていただきました。最近になり「会津伝統野菜慶徳玉ねぎの栽培・普及の会」の設立総会への取材のお誘いをいただきました。
私が取材させていただいた時は、慶徳地区で慶徳玉ねぎを作っている数少ない生産者一人の生江とよ子さんにお話を聞かせていただきました。その時に同行してくださった慶徳地区の山内健一さんが、「とよ子さんと一緒に慶徳玉ねぎを広めます。」とおっしゃっていたのですが、このように早く実現するとは思っておらず、驚きました。
今回は会長の山内健一さんを中心として、「人と種をつなぐ会津伝統野菜の会」の皆さんや、福島県立会津農林高等学校の生徒さんたちも協力してくださることになり、慶徳玉ねぎの種が未来へと繋がることとなったそうです。
このように、慶徳玉ねぎを通して、人が出会い、協力し、復活させていくことが本当にすばらしいことだと感じました。
収穫の時期を迎えた7月4日に慶徳玉ねぎの試食会が開催されました。
私も試食会のお手伝いさせていただこうと、少し早めに到着。
調理は会津伝統野菜の本を執筆中の管理栄養士の平出美穂子さんとフランス料理シェフの道田孝吉さんでした。

平出美穂子さん

道田孝吉さん
調理室では慶徳地区の主婦のみなさんも一緒に、料理教室のようななごやかな雰囲気のなかで、餃子やグラッセ(野菜などを煮汁でつや良く煮たもの)の仕込みが始まっていました。
慶徳玉ねぎの甘みを生かした餃子は、キャベツの代わりに玉ねぎを使用しました。慶徳地区産の米粉を使用した肉厚の皮で包み、ゴマ油で香ばしく焼き上げます。
グラッセは慶徳地区で採れた野菜や、ベーコン、オリーブを入れ、玉ねぎを丸ごと煮込みます。


玉ねぎ料理の他にもアスパラの味噌汁等、生産農家さんならではの料理が用意されました。
慶徳地区の農家のみなさんであっても、慶徳玉ねぎは子供の頃に食べた記憶がある程度だそうです。それでも試食会が始まると「懐かしいなぁ」という声が聞こえてきました。


玉ねぎをたっぷり使った「慶徳ジャンボ玉ねぎ餃子」は玉ねぎの甘さとシャキシャキとした食感がおいしく、6次化商品として売りだそうという計画も持ち上がっています。
「玉ねぎグラッセ慶徳風」は野菜の甘みと玉ねぎのおいしさが際立った逸品です。こちらの料理も慶徳地区に農家レストランを開店した時には看板メニューにしたい!と盛り上がりました。
慶徳玉ねぎの美味しさを再認識し、生産意欲が高まったようで、今後、慶徳玉ねぎを協力して栽培していこうとの言葉は本当に心強く思いました。
慶徳たまねぎは、収量が少なく、育てることも難しいことから簡単に栽培出来ないのが実情だそうです。
現在は、とよ子さんが作った種を分け、広めていこうとしている段階です。慶徳地区のたまねぎを残していきたいという地域のみなさんの熱い思いを強く感じました。