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震災とそれにともなう東京電力福島第一原子力発電所事故によって“食”を取り巻く環境が大きく変化した福島県。
“食”を見直し、より良いカタチを創り上げようという動きが福島県では多くあります。
今回はその“食”に関する新たな取組について、一般社団法人 食大学の鹿野 正道さんにお話をうかがいました。
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今回はその2です。
その1 “美味しいから買う”本来あるべき姿にしたかった (2015年9月1日公開)
その2 わざわざ東京から来るような“空間”を (2015年9月3日公開)
その3 “食”をオーガナイズする人材を (2015年9月4日公開)
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わざわざ東京から来るような“空間”を
ついに動き始めた「食大学」の取り組みですが、ウェブ上での情報発信のほかにもう一手打つ手がないかを考えていた鹿野さん。
「最初から全国のシェフの方々に福島県産品を手に取ってもらえればいいのですが、それは難しい。流通のシステムが難しいしお金もかかる。まだ手を出すには難しいと。」
そこで考えたのが、
「私はずっと“バイローカル”、つまり地元のものを地元で買おうという考えを念頭に置いていました。郡山市を見てみますと周辺の市町村も合わせて55万人もの市場があります。
まずは地元の人に買っていただける、楽しんでいただける仕組みを作ろうと。
そうなれば地元の外からも注目浴びて、その上に料理人さんが来てくださる仕組みも後々作られるだろうと考えたのです。
そしてこう考えました、わざわざ東京から来るような“空間”を売りたいと、滞在型の“食”の空間をです。」
商品を売るにはどうしても人口が多い大都市圏に最初から目が行きがちです。しかし、福島県内にも大きな市場がある。その地元の方々に満足して楽しんでもらえるような仕組みは、当然県外の方にも魅力的に映るでしょう。
そして“空間”という考え方。この“空間”があって初めて交流人口というものが増えていくのだ。そう教えていただきました。
その発想から創り出されたのが「開成マルシェ」です。デザイナーが設計・作成したおしゃれなテントに、美しく農林水産物や加工品が並べられており、楽しく買い物できるとともに、それらの食材を使用した料理やお酒も楽しめ、中央のベンチでくつろぐことが出来る贅沢な“空間”。それが「開成マルシェ」です。
「福島県のカリスマ農家のみなさんの産品を直接売れる場を創り、かっこよくモノを売りたい。」
その思いが結実しました。
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そして「開成マルシェ」が開催されるその隣には、復興レストラン「福ケッチァーノ」があります。以前、お話をお伺いした奥田政行シェフの言葉、“返すのです、私のもとで修業を積んだ福島の子を、皆様の元へ”(http://www.new-fukushima.jp/archives/28198.html)という構想が現実の店舗としてそこにあるのです。
鹿野さんも奥田さんと震災前から親交があり、場所を提供してくださっている郡山の老舗菓子店「柏屋」さんも快く協力してくださるなど、様々なご縁が結びついて魅力ある“空間”を生み出しました。
「この取組のおかげで、福島の食を応援したいという志を持つ皆さんとご縁ができました。志が力を貸してくれて、繋がっていったのです。
“食を元気にするんだ!”そう自分でイメージしたことはかなうと身をもって知りました。 そしてそのイメージを周りの人が助けてくれるからこそできたと思います。」
これは、一見偶然に見えるけれども、きっと必然なのだと感じました。
当初、「開成マルシェ」のことはやろうとも思っていなかったそうですが、今ではウェブでの食の情報発信とともに「食大学」の大切な取り組みとなりました。
地元の方々にも広く知っていただけて、楽しい“空間”として進化した「開成マルシェ」。
今では毎回東京から足を運ぶファンの方もいらっしゃるそうです。
次回、“食”をオーガナイズする人材を は9月4日にお届けいたします。