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世界に対する情報発信のお手伝いを 立命館アジア太平洋大学(APU)副学長 今村正治さん -その1-

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今村正治さん

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日本の歴史上、未曾有の大災害として語り継がれていくであろう東日本大震災。特に福島県においては原発事故もあり、厳しい状況に置かれました。
しかし、日本中・世界中の様々な方々の支援を受け少しずつ復興の道を歩み始め、そして支援をきっかけとした今までにない新しいつながりも生まれてきました。
 
そのなかでも大学をはじめとした教育機関との連携は福島県にとって大きな力になるとともに、今後大きな可能性を秘めたつながりとなっています。
学校法人立命館と福島県のつながりもその一つで、震災直後いち早く災害復興支援室を立ち上げ福島をはじめとした被災地支援に乗り出し、そのご縁もあって2013年12月に連携協力協定を締結するに至りました。
 
このたび学校法人立命館の立命館アジア太平洋大学における学園祭「天空祭」に福島県のブースを設けられ、そちらにお招きいただいたご縁で、立命館アジア太平洋大学副学長の今村正治さんからお話を伺うことができました。

 
本日より2回に渡ってお届けします。
その1 世界に対する情報発信のお手伝いを             (2015年4月9日公開)
その2 大学としても、個人としても                (2015年4月10日公開)
 

“何からやるか”をはっきりと

学校法人立命館の立命館アジア太平洋大学(Ritsumeikan Asia Pacific University:通称APU)は大分県に立地し、世界各地から集まる留学生が学生の半数を占め、教員も約半数が外国籍という多文化・多言語のキャンパスが特徴の国際大学です。


 

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「学校法人立命館は京都・滋賀・大阪を初めとした関西圏、北海道、そしてここ大分の九州圏にキャンパス等を構えており、様々な地域ネットワークを持っていますので、福島の現状や復興に関する情報を発信するお手伝いができればと思っています。
特にここAPUでは国際大学として世界各地の学生が訪れておりますし、それだけではなく海外にある各地のオフィスを通じて、世界に対する情報発信のお手伝いをさせて頂くこともできると考えております。

そういった形で福島の復興を支援できることは大変名誉なことだと思っています。」
 
福島県から離れれば離れるほど福島の現状が伝わっていない様子や、あるいは震災後のショッキングな映像の鮮明な記憶を、今も引きずって福島の印象を語られる方もいらっしゃいます。
こういった形で情報発信についてご支援いただけるのは本当にありがたいことだと思いました。
 
また、福島復興に関わる大学教授の方のお話として、
“東京電力福島第一原発に関わる不確かな情報はどんどん英語で拡散されていくにもかかわらず、事実に基づいた情報はあまり英語では発信されていない。もっと英語のペーパーを作成して発信していかなければならないと考えています。”
ということを訴えていらっしゃいました。
国際色豊かなAPUの学生さん達に世界に対する情報発信をお手伝いいただけることは、大きな力となることでしょう。
 
「とはいえ、情報発信といっても“何からやるか”ということをはっきりとさせて意思疎通を図る必要性があります。」
 
確かにその通りです。せっかくご支援頂いても、何をどのようにしてほしいのかということが明確でなければ、その効果があやふやなものになってしまいます。
震災後、福島県民の県民性として“おくゆかしさ”を美点として言われることもありました。とはいえ支援していただくにあたっては、自らの意志を明確にしていく必要性を強く感じていました。
 

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大学における二つの支援のかたち

また、今村さんは以下のように興味深い点も教えてくださいました。
 
「大学からの支援として、“大学自体として”の支援と“学生による”支援が挙げられます。しかしこの二つの支援はしっかりと分けて考えた方が良い。
大学自体の支援は大規模で大掛かりな支援が可能ですが、大学と自治体という大きな組織同士の連携でありトップレベルでのすり合わせが必要なので動きが重くなります。
学生による支援は、限られた範囲・限られたリソースの中での支援となりますが、自発的な活動であり意欲も総じて高く、意思決定も早い。そしてじわじわとその支援が広がっていきます。」
 
同じ大学からのご支援と言っても、それぞれ特性があるということを“支援していただく側”もしっかりと理解して、要望をお伝えしていくという事が大事なのだと気が付きました。

 

 
次回、大学としても、個人としても は4月10日にお届けいたします。


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