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牛への強い想いが誇り!和牛繁殖農家 山富士雄さん(喜多方市)

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会津

牛への強い想いが誇り!和牛繁殖農家 山富士雄さん

2015年4月1日

JAグループ福島和牛繁殖飼育者協議会会長、和牛の繁殖農家の山 富士雄さんを訪ねました。
肉用牛を生産する農家は、母牛を飼育し種付けをし、生まれた子牛を市場へ出荷するまでの約10か月間飼育する繁殖農家と、子牛を購入し、肉牛に育てる肥育農家の大きく2つに分かれます。
 
繁殖農家である山さんの牛舎では現在、母牛が8頭と2頭の子牛が飼育されています。
とても穏やかで、人懐こい可愛い牛たちです。

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繁殖農家が育てる約10か月という期間は、牛の資質が決まる重要な時期で、農家の腕の見せ所なのだそうです。
育てた牛は肥育農家へ売られていくわけですが、山さんは、肥育農家が育てやすいように、穏やかで、強い胃袋をもった元気な牛になるようにという想いをこめて飼育をされています。
 
「繁殖農家の一日の仕事は牛の状態を確認することに始まり、確認することで終わる。
どんなに夜遅くに帰宅しても、牛舎へ立ち寄り、牛の状態を見ずに一日は終われない」とおっしゃいます。
人に懐く、穏やかな性格に育てるには、愛情をたっぷりかけることが大切だそうです。
山さんの3人のお孫さんも本当によく牛の面倒をみてくれるそうで、そのお話しからも家族の皆さんも牛との生活を自然に楽しんで営んでいらっしゃるという印象を受けました。

ご自身のお孫さんはもちろん、農業体験で牛舎を訪れる子供たちとの関わりもとても楽しく、それが元気の源だと話していらっしゃいました。
子供たちが牛とふれあい、「かわいい」と思う感情を抱き、怖がることなく、牛のブラッシングが出来るようになるまでに、それほど時間はかからないそうです。
 
感受性豊かな子供たちとずっとかかわって暮らしていくことが、今後の目標だとおっしゃっていました。

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しかし、震災後、県外からの教育旅行で訪れる子供たちが減ってしまったことに心を痛めているそうです。
一日も早く、震災前のように大勢の子供たちが戻ってきてくれる日を望んでいらっしゃいました。
 
こちらにうかがう前からふれあうのを楽しみにしていた子牛を見せていただきました!
2月生まれの、雄と雌の子牛です。
名前は「千夏」(雄)と「ちなつ」(雌)。
そうなんです、同じ名前なんです。
なんとも不思議でユニークですよね。

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千夏(雄)とちなつ(雌)
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千夏の方がよく懐いています

私は初めて知ったのですが、和牛に命名する場合、雄には漢字で8字以内、雌にはひらがら8字以内でつけるのが通例なのだそうです。
名前の由来は、体験で訪れた「ちなつちゃん」というお子さんから、自分と同じ名前を生まれた子牛につけて欲しいとお願いされたからなのだとか!素敵なエピソードがあったのですね!
 
母牛は一年に一頭のペースで出産をして、7回目の出産が最後となります。
それ以上の出産は血統の特徴を弱めてしまうことがあるのだとか。血統はとても大切なのですね。
 
山さんの母牛はみんな角があります。角を切ってしまう牛舎もあるそうですが、自然のままに飼育したいのだということでした。
出産によって栄養が不安定になることに起因して、出産を重ねる毎に角輪(カクリン)と呼ばれる、節の数も増えてくるとうお話も興味深くうかがいました。
 
最後に山さんは、福島県の牛にかかわる農家さんの想いを代弁してくださいました。

「福島県の牛はいまだに風評の影響を受けているのが現状であり、市場ではセリにかけられる前から
値引きされている状態では、やる気をなくしてしまいます。
今後も良い牛を育てることに真摯に向き合い、全頭検査体制を今後も続け、信頼の回復を図っていきたい。
せめて同じ土俵に立たせてもらいたい。良い牛を飼育したいという強い想いが支えです。」

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山富士雄さん

山さんは震災前、取材を受けることに対して消極的だったそうですが、少しでも風評の影響がなくなってほしい、福島牛の安全と美味しさを伝えたいという想いから、取材にも快く応じてくださいました。
2月には都内で開催された、つながりイベント「玄冶店 濱田家×福島県 銘柄 福島牛~日本料理の名店で味わう」にもご出席くださり、安全への取組みや繁殖農家としての想いを伝えていただくなど、お忙しいなかご協力をいただきました。
今回の取材を通して、もっと多くのみなさんに生産者の安全・安心の取組みと福島牛の美味しさと魅力を知っていただきたいと思いましたし、私も記事を書くことでしっかりと伝えて行かなくては、と改めて誓いました。


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