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2015年1月15日
創業180年の歴史がある会津若松市の鈴善漆器店さんの工房で、蒔絵の体験をさせていただきました。
指導していただいたのは、蒔絵師歴32年の中村光彩さんです。
漆器産業と会津地方の関わりは長く、かつては十人に一人は何らかの形で漆器産業に携わっているといわれていたほど栄えていたそうです。
しかし、時代の流れとともに、生活様式の変化等で漆器の需要は減り、会津地方でも蒔絵職人さんは数人になってしまったそうです。
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漆器の制作工程は型を作る木地師、色を付ける塗師、そして、模様を描く蒔絵師と、分業作業となっています。
蒔絵とは粘着性のある漆に、金、銀などの金属粉や、朱、黄などの 色粉を「蒔いて」絵付けをしていくという技法です。
その技法の中でも、朱と黒の対比の豪華さと、砥粉(とのこ)で磨きをかけた色の落ち着き感が特徴の「朱磨き(しゅみがき)」、あでやかな色調で桧垣、松竹梅、破魔矢を組み合わせた独自性を持った絵柄として発達してきた「会津絵(あいづえ)」、錦織を思わせる華やかな絵柄が特徴の「錦絵(にしきえ)」は現在も匠の技として受け継がれています。
これらの作品は完成までに半年以上かかるものが多いそうです。
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左から朱磨き、会津絵、錦絵
今回の体験では、漆で絵を描き、「消し金」と呼ばれる粉を刷毛で蒔き付けていくという蒔絵の中では基本的な「消し平蒔絵技法」での挑戦になります。
初心者用にお椀、皿、手鏡等が用意されていて、絵付けをする漆器を選ぶだけで楽しくなります。
私は手鏡を選びました。
この漆器に、漆と筆で絵付けをしていきます。
絵が苦手な人でも転写用の下絵が沢山用意されていますから、心配はいりません。私も下絵を使わせていただきました。
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転写した線を漆をつけた筆で描いていきます。
この作業は線をはみ出さないように描くので一番緊張しますが、慣れてくるとそのほど良い緊張感が面白いとも思いました。
漆の液はとても粘着性があるので、粉を蒔き付けた後に刷毛や布で粉を払うと、描いた模様が立体的に浮かび上がってきます。
筆描きだけではなく、漆を塗って、あらかじめ模様の形に切ってある箔を貼り付ける方法だと、手軽に趣のある模様に仕上がるそうです。
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描き終わったら、乾燥させて完成です。
全工程の所要時間は、1時間半程度。
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このような伝統文化がある会津地方ですが、震災以来、教育旅行が減少していたそうです。それも多くの皆さんの努力で少しづつ回復してきたそうです。
取材時には、宮城県から研修旅行で来ていた小学生の皆さんが「面白い!」と、夢中で蒔絵に取り組んでいました。
その子供達の様子を見ながら、「未来の職人さんが誕生してほしいですね。」と中村さん。
蒔絵というと、堅苦しいのではないか?とか、難しそうなのでは?というイメージでしたが、実際に体験してみると、とても楽しくて新鮮な驚きでいっぱいでした。
また、今回の蒔絵体験を通し、昔の人の手間暇を惜しまない暮らしぶりや、生活の知恵を感じることができました。
改めて会津の文化にふれることができた素敵な体験でした。
そして、木の器に塗ることで耐久性を高めたり、傘や家屋の修繕には接着剤の代用として重宝されてきたという漆は、物を大切に使うという思いから生まれた生活の知恵の賜物だと思いました。
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蒔絵師中村光彩さんと店舗スタッフ風間朝子さん
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鈴善漆器店
【住所】福島県会津若松市中央1丁目3-28
【TEL】0242-22-0680
【営業】8:30~17:30 無休
【HP】http://www.suzuzen.com/
◆蒔絵体験教室
時間:午前9:00~16:00の間で要予約 (最大25名様まで)
料金:1300円~
(記事:あおい情報員)