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店頭で測って売る――福島さん(産)の野菜(東京都港区)

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JR新橋駅のはす向かいに、「福島産(さん)の安心野菜」と書かれた赤い幟がはためいている一角があります。
実はここ、カタログ通販の『通販生活』でおなじみの「カタログハウスの店 東京店」の店頭なのです。


赤い幟が目印!

清潔感に溢れる店内に入ると、『通販生活』で紹介されている寝具や電気製品、衣料品などが実際に売られています。
ふだんはカタログでしか見られない商品を直に手に取って見ることが出来るのが、このカタログハウスの店なのです。
店内の一角にあるのが、大きく「福島さん(産)の野菜」と書かれた横断幕がかけられたスペースです。


西田敏行さんや小泉武夫さん、田部井淳子さんなど、福島に縁のある著名人がお出迎え


横断幕の大きさが福島応援につぎ込む力の大きさを表しています!

 

それにしても、なぜ通販の会社が福島産の野菜を取り扱うようになったのか?
ストアマネージャーの北澤基さんに話を伺いました。

「十年前から須賀川の農業生産者団体・稲作研究会とお付き合いがあり、通販でお米を扱ってきました。
そこに昨年の震災があり、『震災や原発事故で苦しんでいる人たちのために何かできないか』と
社内で検討しあったのです。そこで出たアイデアの一つが、福島の農家の方が作る生鮮野菜を扱うことでした。」

そこでこだわったのが、「徹底した情報開示」だったそうです。
味は折り紙付きですが、消費者が心配するのは放射線の影響。
お客様により安心してもらうため、仕入れた野菜の放射性物質を店頭で計測し、
その数値を明示して販売することにしたのだそうです。
取材に訪れた日も、ちょうどなすの測定をしているところでした。

さらに店内に並べられた商品を見渡すと、どの野菜にも検出限界値以下を示す「10ベクレル未満」の表示がなされています。
今年入荷した生鮮物で10ベクレル以上の数値が出たことはないそうです。
昨年秋にはリンゴや桃で10ベクレル以上の数値が出ていたそうです。

「昨年の桃は最大で39ベクレルありました。もちろん基準値内の値です。
それでも、敬遠する消費者の方もいるのかもしれませんが、冷静に受け止め、買っていかれるお客さんもいらっしゃいます。
『今日は孫が遊びに来るから10ベクレル未満のものがいいけれど、明日は私が食べるだけだから10ベクレル以上でもいいわ』
と言って、用途を分けて買われる。そういうお客さんもいるのです。」


ストアマネージャーの北澤さん。お客さんの質問にも丁寧に応じてくれます

 

北澤さんに指摘されて気づきましたが、昨年収穫されたリンゴを使用した「乾燥果物」を見ると、
「セシウム134:12.69ベクレル、セシウム139:15.35ベクレル」と表示されています。
もちろんこれも基準値内ですが、測って出た数値は詳細に公表するという姿勢がよく現れています。
そのことがお店を訪れるお客さんに、より安心感を与えているようです。
リピーターも増え、仕事帰りに野菜を買い求める人も少なくないそうです。


こだわりのトマトも店頭で測定し、「10ベクレル未満」の表示


昨年収穫されたリンゴを使った乾燥りんご。測定データを包み隠さず表示。

 

「放射能の影響を心配している消費者の方はまだたくさんいると思いますが、
お客さんの見えるところで実際に計測し、そのままの数値を公表していくという販売方法を採れば、
多くの人に受け入れてもらえます。
こういうやりかたを、多くの小売店でも真似してもらえたらいいなと思っています」(北澤さん)

売り場で測って売ることで、消費者が抱く「見えない不安」を取り除く。
消費者に、より安心してもらうための一番分かりやすい方法の実践例と言えるでしょう。


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