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花を作り続けて50年(新地町)

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花を作り続けて50年

浜通り

花を作り続けて50年(新地町)

2014年8月18日

8月はトルコギキョウと小菊の最盛期ということで、花の栽培が盛んな相馬郡新地町を訪ねました。
今回お話をうかがったのは、新地町で花作りを初めて50年になる寺島貞弘さんとそのご家族のみなさんです。
現在、寺島さんは奥さまと、息子さんご夫婦と一緒に花の栽培を行っています。
 
寺島さんは高校を卒業後、カーネーション農家などで修行され、約50年前に地元の新地町で本格的に花の栽培を始めました。
新地町は宮城県仙台市が近いため、当時は栽培した花を背負って電車に乗り、仙台市などの市街地で行商をしていたそうです。
交通網が発達した現在では、全国に花を流通させることができるようになりました。
 
これからの夏期がまさに最盛期のトルコギキョウと小菊。その理由はお盆やお彼岸などの行事に合わせて出荷を行わなければならないからだそうです。少しでも花の咲く時期が合わないと、残念ながら出荷ができなくなってしまいます。

小菊畑
小菊

今年は、この一面に咲いているかわいくて良い香りのする小菊が、需要が高まる時期よりも早く咲いてしまったために出荷ができなくなってしまいました。こんなにキレイに咲いているのに…と、とても残念な気持ちになってしまいました。しかし、その時の花の値段を見て出荷をしないと、収支がマイナスになってしまうこともあるのだそうです。
 
震災直後から約2年は花の価格が上がっていました。東日本大震災でお亡くなりになった方が多くいたために、お供えする花が例年よりも多く必要になったからです。
今年の花の価格は、震災前にほぼ戻りつつあり、寺島さんは東日本大震災の風化を感じているそうです。寺島さんご自身もお孫さんを津波で亡くされており、この風化を切なく感じていらっしゃるようでした。
 
震災後からは、息子さんご夫婦が一緒に花の栽培を行うようになり、寺島さんからの手ほどきを受けているそうです。花の咲く時期は、天候の影響を受けてしまうために、毎年同じようには成長しません。花の状況を見ながら、消毒の回数や肥料の量を調整するため、毎年覚えることがたくさんあるのだそうです。
 

トルコギキョウ
トルコギキョウ

今回は、トルコギキョウの収穫と小菊の出荷までの作業を見せていただきました。
 
トルコギキョウのハウスでは、綺麗に咲いた花たちがずらりと並んでいました。
その花の咲き具合を見ながら、根本から一本一本丁寧に抜いていきます。
 
収穫されたトルコギキョウは、余分な葉や若いつぼみを落として整え、長さを約75センチに切り揃えて出荷となります。

小菊は取材当日は既に収穫の作業が済んでいて、出荷前の作業を拝見しました。
こちらも、約80センチのところで茎を切り、葉を落として出荷となります。
仏花などの花束になった時に綺麗に見てもらえるように、花や葉の位置、量をみて整えていくそうです。

aguriya_05

これらの作業は、全て手作業で行っています。
姿を整えるのは、とても細やかな作業なので、手作業であることはもちろん、経験に基づいた勘所も大事なのだそうです。

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お話を聞かせていただいた寺島貞弘さんと奥さま、息子さんご夫婦です。
震災をきっかけに花の栽培をはじめたお嫁さんの寺島恵美子さんは
「これからも花のことを学んで、花作りを続けていきたい」とおっしゃっていました。
 
寺島さんご一家が栽培する花は、直売所「しんち地場産市場あぐりや」さんでご購入することができます。

あぐりや
トルコキキョウ

店頭にはキレイなお花がたくさん並んでいます。
ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

今回お伺いした場所

しんち地場産市場あぐりや

【住所】福島県相馬郡新地町小川字ソリ畑27
【TEL】0244-62-5220
【営業時間】9時~18時
【定休日】1月1日~3日


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