福島県のオリジナル品種「あづましずく」を栽培されている、『まるげん果樹園さん』におじゃましました。
あづましずくは、福島県が育成し、2004年に品種登録されました。まるげん果樹園さんでは、その1~2年後から栽培を始めました。
8月上旬のこの日は大変暑く、福島市の最高気温は37.7度になりました。
じっとしているだけでも汗が流れましたが、ぶどう棚の下での取材でしたので太陽の光は遮る事ができました。
代表の朝倉寿二さんにお話を伺いました。
畑の広さは3ヘクタール、このうち、ぶどうの畑は10アールです。
このあづましずくは、あと1週間程でもっと色が濃くなり、出荷時期になります。
あづましずくは、実がやわらかく慎重に扱わないと傷つきやすいそうです。
その他にも枝が太いので誘引が難しく、枝が折れてしまったりするなど育てるのに手間がかかるため、
栽培している果樹園さんは少ないそうです。
他のぶどうより収穫時期が早く、8月中旬頃から始まります。
【あづましずくの特徴】
・糖度が高い。巨峰より4~5度高いそうです。
・皮のはがれが良いので、食べやすい。
・大粒で、色は巨峰のような濃い紫色。
【あづましずくの作業の流れ】
12月:剪定
3月:棚縛り
5月:花切り
花が咲くと花切りという作業をします。
たくさん咲いた花が全部実になると養分が分散され、味が悪い小粒のぶどうになってしまいます。
上の方の花を切ってしまうことで、養分が集中して大粒のおいしいぶどうになります。
6月中旬~7月:
ジベレリン処理・・・種なしのぶどうを作るための作業です。
ジベレリン水溶液というものをカップに入れて、ぶどうを1房ずつ液に浸します。
あづましずくはこの作業を2回おこないます。
摘 粒・・・そのままにしておくと小粒になる、粒が割れる、着色が悪くなるなどの障害がおこります。
そこで、小粒や傷のあるもの、変形しているものを1粒1粒取り除き、形を整えます。
袋かけ・・・病害虫や日焼け、こすれなどから実を守るために袋がけをします。
房落とし・・たくさんなった房を少なくします。1枝1房にします。
多く残すと色付きが悪かったり味が悪くなったりします。
7月下旬~:ボルドー液散布
葉に病気がつかないように、硫酸銅と生石灰を混ぜて作る殺菌剤を葉に散布します。
フランスのボルドー地方で開発されたのでこの名前がついたと言われています。
これらの作業以外に今年は年明けから除染作業が行われました。
震災直後の売上は7割減になってしまい、車や農機具を売って辞めてしまおうと考えた事もあったそうです。
ですが、福島のおいしい果物のファンという多くのお客様からの励ましにより、
もう一度頑張ろうと思ったそうです。
「福島の果物は、手間をかけて作業し、熟してから収穫するので、ほんものの果物の味わいがありとっても美味しいんです。」とおっしゃっていました。
取材が終わり喉がカラカラになっていた時、朝倉さんは収穫が始まったばかりの桃(あかつき)を樹からもいでごちそうしてくださいました。
ジューシーなもぎたての「あかつき」は果汁があふれ、一口かじっただけで喉を潤すほどでした。
ごちそうさまでした♪
あづましずくは福島県のオリジナル品種でありながら、まだ食べた事がありません。
今年は、是非食べてみたいと思います。
みなさんも「福島のぶどう・あづましずく」ご賞味くださいね♪
ぶどう狩り・食べ放題(30分)9月~10月
入園料 大人800円 こども500円
巨峰とロザリオビアンコのぶどう狩りも楽しめます。
*気候により時期が変わりますのでお問い合わせください。
まるげん果樹園
【住所】〒960-0251 福島県福島市大笹生字鹿の畑
【TEL】024-558-3523 【FAX】024-557-4710
【URL】http://www3.jeynet.ne.jp/~marugen/