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現場で得られる経験値 福島大学小山良太ゼミナール -その2-

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少しずつ復興に向けて歩み始めている福島の人々。
その中には、若々しい力にあふれた学生たちも含まれています。
今回対談したのは、福島大学小山良太ゼミナールの学生代表高橋和希さん。そして広報を担当している鈴木愛海さんです。
 
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福島大学経済経営学類小山良太ゼミナールは2009年、地域の活性化を図ることを目的に福大まちづくり株式会社 通称Marché F(マルシェ・エフ)を立ち上げました。
今年も福島大学小山良太ゼミナール他主催で「街なかマルシェ」という青空市を開催します。 
 
順調にマルシェ周知が進んでいき飛躍を感じていた矢先、東日本大震災とそれに伴う原発事故が発生します。
しかし、そこで新たに「正しい情報発信」をマルシェ実施の意義に掲げ、活動を継続。
震災後4回目のマルシェが8月30日と31日に開催されます。
 
その活動の中で、何を感じ何を学んだのか、現役の福島大学学生であるお二人にお話をお伺いしました。

 
その2をお届けします。
その1 正しい情報発信とは          (2013年8月23日公開)
その2 現場で得られる経験値         (2013年8月26日公開)
その3 福島からはものすごい人材がうまれる  (2013年8月27日公開)

行動しなければ得られないこと

東日本大震災とそれに伴う原発事故という未曽有の事態があったのちでも、「街なかマルシェ」を継続することが出来た理由についてお伺いしました。
 
「震災だけでなく原発事故が起こった直後の福島で、先輩方が今までのテーマである地産地消に加えて「正しい情報発信」という新たなテーマを掲げて、継続してマルシェを実施したことは、すごいことだと思います。継続できた背景として、大学が直売所などの関係機関にヒアリングをして、その中で今までマルシェに出店していただいていた方々から、是非マルシェを継続してやってくれ、という意見をいただいたからだと教えてもらいました。その話を受けて、先輩方が作りあげてきた出店者との信頼関係を実感しました」
と高橋さん。

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このことからも「街なかマルシェ」は、先輩たちの努力と行動、その想いが出店者に伝わった、継続性のあるイベントであることがわかりました。
 

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また、気になるのが放射性物質の問題。その点について、「昨年の7月のマルシェでは、放射性物質の影響について心配する声も少しあったのですが、10月のマルシェでは私がお話した範囲ではそういった声は聞きませんでした。」と鈴木さん。
数か月で色々と状況が変わった、理解が深まったのか、放射性物質に対してあまり気にしない方々が客層となったのか、その点はわからないのですが…とも。
 
こういった気づき、疑問を抱くことが出来るのも、現場で生の声を聴くような行動をしているからこそ。机上でデータを分析するだけではなく、体感する事の大切さを教えてもらいました。
 
そしてもう一点思ったこと。それは放射性物質に対する質問があまり聞かれなくなった理由は、この「街なかマルシェ」自体が、そこに携わっている人たちが信頼されたのではないかということ。

お二人の素直で真摯な姿を見て、福島県の農林水産物が信頼を再び取り戻すためにこの「街なかマルシェ」から学ぶことは多そうだ、そう感じました。
 

現場の力

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出店者やお客様とコミュニケーションを取る際の考え方や難しかったことについて尋ねました。
 
「自分たちは学生という立場で、一消費者。だからこそ利害関係なく伝えることが出来るのではないかと思います。そういうことも意識しながら出来るだけフレンドリーにお客様に近い立場で話しかけるようにしています。」と高橋さん。
 
一消費者としての立場で伝える、きっとマルシェに来る人もそれが聞きたいのではないか、私はそう思います。

鈴木さんは
 
「広報を担当している身としてメディアの方々に投げ込みを行ったりしてきたました。しかし、県内はともかく、全国に伝えようとするのは中々難しいです。

『以前と違って今は福島のことを取り上げなくてもこちらとしては良い。だって勝手にやってるんでしょ』
 といったニュアンスの言葉を頂いたこともあります。こういった想いが広がりつつある現状をどう改善すればいいか。
そして福島県での動きが伝わらなければ、福島に対する県外の方の思いというものが『なんとなく不安』という入り口で止まってしまいそれ以上の理解が進まない。どうやれば伝わるのかが難しいです。」とおっしゃいました。
 
自分で生産したり販売したりしていないと、中々理解できない課題をしっかり理解・分析できている、まさに「現場の力」だと、率直に思いました。

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次回、福島からはものすごい人材がうまれる は8月27日にお届けいたします。


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