いわき市添野町。黄金色に輝く田園風景を往くと現れるのぼり旗。
田園にひっそりと佇む焼き菓子店「野らぼう」は、そんな風景にポッカリと浮かんでいました。
店主を務めるのは小川慶子さん。
都内の大学を卒業後、10年ほど勤務した飲食業で培った焼き菓子やプリン作りの技術を活かせる店を持ちたいと考え、
故郷であるいわき市に帰ってきました。
2010年6月、農業を営む実家の井戸小屋を改築して工房を作り、まずは受託販売での焼き菓子作りを始めました。
自家製の米を粉にした米粉を使ったシフォンケーキやプリンは近所の方からクチコミで広がり、注文の数も徐々に増加。
10月には田んぼの空きスペースにテントを建てて店舗形式での販売も開始しましたが、野外での営業は肌寒く、
小川さんのお父さんがビニールハウスを使った店舗を作ってくれたそうです。
こうして焼き菓子も店舗も全て手作りの「野らぼうハウス」が完成しました。
水曜と日曜に「野らぼう市」として開かれるハウスでは、様々な焼き菓子やプリンなどが販売されます。
地元野菜の直売も行われています。
多くの方で賑わうハウス内にはお茶が飲めるスペースもあり、さながらサロンのよう。
僕も美味しいお菓子とお茶をいただき、居心地の良さについつい長居してしまいました。
「震災後、お米への影響が心配でしたが、幸いにも検査の結果は問題ありませんでした。
他の食材も全て検査済みの物を使用して、安全・安心で美味しい焼き菓子をこれからも届けていきたいです。」
と話す小川さん。今後は地元の野菜を使ったお惣菜作りなどにも取り組んでいきたいとのこと。
【小川慶子さん（中央）とスタッフの皆さん】
「美味しいで元気に！」
美しい自然に囲まれた「野らぼうハウス」には、
ゆったりとしてどこか特別な時間が流れていました。
野らぼう
【住所】いわき市添野町桑木町52
【TEL/FAX】0246-62-3467
【営業日】毎週水曜日と日曜日 【営業時間】午前9時から午後3時まで