いよいよ福島を代表する果物・桃の季節が到来しました。福島の中でも特に伊達地区は、明治時代に県内でいち早く桃の栽培を始めた地域で、皇室献上桃の産地としても知られています。
その伊達の桃のPRイベント「JA伊達みらいフェア」が都内で開催されると聞きつけ、7月18日早朝、大田市場に駆けつけました。
マンモス競売場前の特設会場を覗いてみると、まず目に飛び込んできたのが桃とキュウリで作られたピラミッド! そう、この日のイベントは桃だけでなく、これまた福島の主力夏野菜・キュウリをPRすることも目的なのです。
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桃とキュウリのピラミッド! 手前にキュウリ、奥には桃が
その意気込みの表れか、桃とキュウリのピラミッドは近くで見ると結構な大きさです。桃だけでも数百個は使われているはず。このイベントにかける、JA伊達みらいの意気込みを感じさせる力作です。
そしてもちろん、“福島の桃”と言えば忘れてならないのが「ミスピーチ」。この日も、ミスピーチ・キャンペーンクルーの川部真佐江さんが来場し、桃色の法被を羽織ったJA伊達みらい職員の人たちとともに、市場関係者の方たちに今年の桃の試食を進めていました。
みな大きな声を上げてPRに励みますが、人が群がるのはやっぱりミスピーチ。美女の威力は絶大でした。
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早朝でも笑顔! も一つ笑顔!!
会場には、タライの中でキリッと冷やされた立派なキュウリも振る舞われました。タライの回りには、「にんにくみそ」などをたっぷり載せたキュウリに豪快にかじりつく人、人、人。その中からは「美味い!」「これは売れるな。売れないはずがない」という本音の感想が飛び交っていました。
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キュウリにも人が殺到 どの手にも伊達のキュウリ!
伊達の桃とキュウリを堪能する人たちを前に、トップセールスのためにはせ参じた国見町の佐藤力町長から挨拶がありました。
「桃の果実が放射性セシウムを吸収する過程は、根からではなく、幹や枝についたものが風や雨で葉に吸着し、その葉から吸収されて実に移るということが研究機関の調査で分かりました。そこで昨年12月から今年3月の厳寒期に、高圧洗浄機で樹を一本一本、幹から枝まで洗浄しました。ですから、昨年の桃も安全でしたが、今年の桃はより安心して食べていただける。皆さんには安心して食べてもらったり売ってもらったりしていただきたいと思います」
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大田市場の関係者にPRする国見町の佐藤力町長 キャンペーンは大盛況
昨年の桃は例年以上に出来がよかったものの、原発事故による風評で、販売面ではかつてない苦しみを味わいました。今年はその轍を踏まぬよう、消費者により安心して食べてもらえる桃を育てるため、生産者やJA、行政が足並みを揃え、必死の努力を重ねてきました。それだけに、佐藤町長の挨拶の声にも自然と力が入っていたようです。
桃の販促キャンペーンはこれだけではありません。
7月17日から7月20日の4日間、霞が関の農林水産省内の「消費者の部屋」では、県農林水産部園芸課・農産物流通課主催による、福島県産の桃の販促キャンペーンが開かれました。
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霞ヶ関の農林水産省1階にある「消費者の部屋」 昼食時にぞくぞくとお客さんが
除染や検査など、生産者や行政が実施している取り組みをパネルを使って分かりやすく解説し安全性をアピールしつつ、県オリジナルの新しい早生種「はつひめ」と、7月が出荷の最盛期となる「日川白鳳」の食べ比べを実施し、おいしさもアピールするという二段構えの構成です。
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「はつひめ」と「日川白鳳」の食べ比べ。ホントに贅沢です
食べ比べに登場した「はつひめ」は、平成21年に品種登録されたというニューフェイスで、まだ生産量はそれほど多くないそうですが、甘みが強く、今後人気の品種になりそうです。早生種の代表格「日川白鳳」は、ひと囓りするとジュワっと果汁が口の中に広がります。「これこそ夏の味覚!」とヒザを叩きたくなる定番の味は今年も健在です。
記者が訪れたのは展示初日の昼食時でした。官庁街という消費者が集まりにくい場所にもかかわらず、「消費者の部屋」には多くの人が押し寄せ、福島県産桃のおいしさを噛みしめていました。
原発事故後、県産の農作物に対する消費者の不安が高まりました。いまでも不安を抱いている人もいるでしょう。そうした懸念を払拭するためには、生産者やJA、行政の県内での地道な取り組みを、こうして着実にPRしていくことが唯一の、そしてもっとも近道の方法なのではないかと感じました。