郡山市中田町海老根地区には、江戸時代の1658年から伝わる伝統文化、「海老根手漉(てすき)和紙」があります。
今回は、手漉和紙の文化を守る「海老根伝統手漉和紙保存会」の熊田英重(ひでじゅう)さんからお話を伺いました。
江戸時代から手漉和紙の文化が広まったのには、理由がありました。
和紙の原料となる楮(こうぞ)が中田町で豊富に採れたこと、
そしてきれいな湧水があったことから始まったと言われています。
ただ、和紙作りは、暖かい時期だと原料の一つとなるトロロアオイが変質してしまうことから、
冬の寒い時期の作業になります。
この地区では、和紙の生産は農閑期の副収入でもありました。
和紙に使われる原料は、楮、(接着剤となる)トロロアオイ、水(井戸水)です。
これらの原料は全て海老根地区で採れるものを使って作っています。
震災直後は、原料も全て放射性物質の検査を行ったそうですが、結果は検出限界値以下だったそうです。
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写真は、楮を干しているものです。これから、茶色の部分の表皮を剥いで、中の白い部分を取り出します。
その後、取りだしたものを煮て、叩き、繊維を取り出します。
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この釜で煮ます。そして、接着剤の役割となるトロロアオイを入れ、紙を漉いていきます。
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このような工程を全て手作業で行って、ようやく和紙が出来上がります。
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出来上がった和紙は、透かして見ると繊維がきれいに見えます。
和紙は、薄く、強いものが良い製品とされていますが、海老根の手漉和紙はまさにそのような紙です。
昔から、「洋紙百年、和紙千年」と言わるほど、和紙は強く長持ちすると言われています。
また、海老根手漉和紙は楮100%で作っていることから、紙色は日が経つほどに白くなっていくそうです。
このことから、海老根の和紙は「生紙(きがみ)」、生きてる紙と言われているそうです。
素敵なポストカードを頂きました。
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数年後には、今よりも白くなっているそうです!とっても楽しみです!
今回、お話を伺った「海老根伝統手漉和紙保存会」の熊田英重さん。
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幼い頃からずっと、和紙を作り続けているそうです。
今回、ご紹介した海老根手漉和紙は、電話でお問い合わせ頂くと、購入もできます。
そして、この海老根手漉和紙を使ったイベントも行われています!
2月23、24日に郡山市の「ニコニコこども館」で和紙を使った灯ろう制作があり、たくさんの方々が参加していました。
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このように、和紙に絵を描いて、丸めて灯ろうにします。
今回、作られた灯ろうは「春蛍」というイベントで3月10、11日に郡山駅西口駅前広場で18時~20時の間に展示されます。
当日は、ろうそくが灯され、約600の作品が並べられることとなる予定です。
ぜひ、足を運んでみて下さいね。
海老根伝統手漉和紙保存会
【TEL】024‐943‐4264
春蛍 郡山市総合教育支援センター こども活動支援室
【TEL】024-924-2758