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昔ながらの手作業で~会津産むきくるみ~(会津坂下町)

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今回は創業70年になる、くるみの加工会社「斎藤金五郎商店」さんにお邪魔しました。

お話を伺ったのは3代目社長の斎藤政信さん。
こちらで扱っていらっしゃるのは油分が多く、濃厚な味が特色の会津産の鬼くるみです。

農家の方が くるみを拾って、土に埋めて殻を腐らせ、洗って乾燥させたものを持ち込んできます。
農閑期になる冬の作業として始まり、その量は年間約50トンにのぼります。

 

昔からその場での現金取引です。
農家の方にとっては冬の現金収入になるのも長年続いている理由なのでしょうね。

 

作業場へ案内されて驚いたのは、金槌でひとつひとつ割って、
実を取り出していくという昔も今も変わらない手作業です。
従業員の方はベテラン揃いで、勤続50年の方もいらっしゃいました。

持ち込まれたくるみは、割りやすくする為に、一日水に浸し、その後煎り(煎ることによって口が開く)、
更に、茹でて水分を含ませ、柔らかくします。

 

鍋の中から煮立ったくるみをすくいながら、金槌で割り、畳針を使い、実が取り出されます。

取り出された実は、黒くて苦味が出ているものやクズが除かれます。

  ←選別作業の様子

ここまでの行程を重ねてやっと売り物になるのです。
むきくるみが高価だということもうなずけます。

 

出荷先は主に東北地方のお菓子屋さんや、お惣菜屋さんだそうですが、
「価格の安い中国産に押されているところへの震災だったので、かなり厳しい状況です。」とおっしゃっていました。

震災後の平成23年は復興支援等で何とか持ち堪えられたそうですが、
昨年の売り上げは半分になってしまったそうです。
風評被害に関しては昨年の方が影響が大きかったという話は他の業種でも聞こえてきます。

しかし、「くるみほど、国産天然物と輸入品の味の差が顕著なものはないので
是非、会津の鬼くるみを味わって欲しい」とおっしゃっていました。


                           
気の遠くなるような丁寧な工程を当たり前のように繰り返し、商品になる様を目の前で見させていただき、
日本の、福島の、会津の「くるみ」を愛おしく感じました。

 

有限会社斎藤金五郎商店
【住所】福島県河沼郡会津坂下町字東南町裏甲3963
【電話】0242-83-2303
【営業時間】午前8時から午後6時まで   【定休日】土曜日・日曜日
【URL】http://www.saito-kurumi.co.jp/


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