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ふくしま市場 店長 櫻田 武 さん 編 -その1-

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自治体アンテナショップ。

主に東京において地方自治体の特産品を紹介することを主たる目的としている店舗で、
最近首都圏在住の方の支持も高まっているようですが、福島県には全国的にも珍しい、
単独で店舗を構えない「スーパー内にある」アンテナショップがあります。

そのアンテナショップの名前は「ふくしま市場」。

東京都江戸川区にあるイトーヨーカドー葛西店内の1階に店舗があります。
今回は、震災・原発事故後に実際に卸業者の方や首都圏の生活者の方々と実際に接し、
生の声を聴き体験してきた、櫻田 武店長にお話を伺いました。

 

本日から4回に渡ってお届けします。
その1  全国的にも珍しいアンテナショップ (2013年1月22日公開)
その2  福島が元気だということを見せたい (2013年1月23日公開)
その3  「責任感」という価値       (2013年1月24日公開)
その4  福島の誇りをもって        (2013年1月25日公開)

 

全国的にも珍しいアンテナショップ

平成18年8月オープンしたという「ふくしま市場」。
まず櫻田店長にその成り立ちについてお話を伺いました。

自治体のアンテナショップは大抵、銀座や有楽町などの東京のまさに中心部にあるのですが、
そこではお米や葉付きの大根・長ネギなどを持って帰ることが出来ないのではないかということもあり、
福島県の主要産品である農作物を手に取っていただくためにも、住宅街の中にあるスーパーを選んだのですと、櫻田店長。

PR効果を最優先ではなく、より地域に密着する形で“地元の店”として親しみを持ってもらい、
その積み重ねとして福島を知ってもらおう、
そういった柔軟な視点がオンリーワンのアンテナショップの開設につながったわけです。

櫻田店長は、開店日の8月10日は福島県の「桃」の主力品種「あかつき」の最盛期に合わせたものであり、
現在「お米」はふくしま市場人気商品のひとつ、
そしてアンケートで何をお買い求めになりましたか?とお尋ねすると7割近くの方が「野菜」とお答えになるなど、
福島県の農作物を手に取っていただくという狙いは当たっている、ともおっしゃいました。

 

前年の80倍「お米」が売れた!?

とはいえ、当初から順風満帆とはいかなかったのではと思い、どのような形で改善していったかを伺いました。

確かに知名度がある「桃」に関しては非常に好調だったのですが、その後「なし」「りんご」にシーズンが移ると、
全国的に見て生産量も多く味も素晴らしいにもかかわらず、知名度の低さから苦戦を強いられたそうです。
そして、「お米」にいたっては初年度8月・9月は5キロ1袋で、15袋しか売れなかったというありさま。

しかし・・・

次年度の8月・9月には「お米」が1,200袋、実に前年の「80倍」も売れたそうです!

その秘密は、「食べてなんぼ」だ!という、徹底したお客様に対する「試食」の実践。
いくら言葉を尽くしても、「実際に食べていただく」以上にお客様にご理解いただくことは出来ない、と櫻田店長。

現場に任せるという経営側の懐の深さもあり、実際に店舗には炊飯器が4台も常備され、
その年の新米の“はしり”である早場米(はやばまい)「瑞穂小金(みずほこがね)」を試食・販売、
引き続き「ササニシキ」「ひとめぼれ」「コシヒカリ」の食べ比べを行い、福島県の農業のことなどを
トークとして交えるなどした結果が、前年度より80倍も売れるという結果を生み出したのです。

現在も売場スペースに調理・試食提供スペースがあり、櫻田店長およびスタッフの方の軽妙な福島トークもあって、
多くの方に喜ばれ親しまれているシーンが印象的でした。

その他にも「ふくしま市場」でしかできないことはなにか?ということを考え、春先には福島の山の幸「山菜祭り」を決行。
浜通り・中通り・会津地方と多彩な地形気候を抱える福島県の地の利を生かし、一つの農作物を長期間店頭に確保するなど、
「お客様に喜んでもらうためにはどうすればいいか?」ということが常に考えられているのが、「ふくしま市場」なのです。

 
 
次回、「福島が元気だということを見せたい」は1月23日(水)にお届けします。


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