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昭和の香りが残る食用ほおずき(下郷町)

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先日、クラインガルテン下郷さんを取材させていただいた時に、クラブハウスの前で
「在来食用ほおずき」に出会いました。

食べられる「ほおずき」が存在することすら知りませんでしたから、
早速、生産者の方の取材をさせていただくことにしました。

 

おじゃましたのは、下郷町にある室井さんの畑です。
室井さんは今年77歳。

室井さんが子供の頃は農家の軒先などで「在来食用ほおずき」が栽培(自生)していたそうですが、
近年は栽培する農家もなく、忘れ去られた状態になっていました。

しかし、平成17年、地域の特産物として再認識され、
町おこしの活動の一環として「食用ほおずき」の新たな取組みが始められました。

室井さんは、下郷町役場から栽培の話を持ちかけられた時、
子供の頃に食べた「食用ほおずき」をもう一度食べてみたいという思いから、快諾したとおっしゃっていました。
種は町長さんのお庭にあったものを分けてもらったそうです。

「食用ほおずき」は「鑑賞ほおずき」よりかなり小さい粒ですが、食べてみると爽やかな甘さが魅力的です。
ほのかにミルクの味がしてきます。

8月下旬から霜が降りる11月まで収穫ができます。
実が熟すると枝から落ち、落ちた実を毎夕収穫します。
落ちるまでじっと待つのです。

 

地区のお年寄りが中心となって、様々な取組みをされていました。

その中のひとつとして、室井さんが所属している「下郷町在来ほおずき普及会」と下郷町の農林課が一緒に「ほおずきジャム」の製品化に挑戦。
そうして完成した「ほおずきジャム」を、姉妹都市の東京都西東京市で開催されたイベントに参加してPRするなど、
精力的に活動されています。

更に、会津大学短期大学部と連携し、この秋から「ほおずきジャム」のラベルを一新。
「ほおずき姫」と名づけられ、販売が始まりました。

現在も「食用ほおずき」を南会津地方を代表する特産品とするため、下郷町の農林課と一緒に、
ジャムの他にも様々な加工品を検討中です。

「新しいことを始めるということは何歳になっても楽しいものです。」とおっしゃいます。

そんな室井さんですが、放射性物質の影響にはかなり神経質になっています。
検査結果が出るまでは安眠できなかったとのこと。

お盆過ぎに問題がないと分かったときは、本当にホッとしたそうです。
というのも、今年から同じ種子を使用して近隣の小学校でも栽培しているので、
もしも、放射性物質が基準値以上出てしまうと、「子供たちがせっかくの甘い実を食べられない」
との思いがあったからだそうです。

せっかく復活したほおずきの味。子供たちから更に次世代へと引き継いで欲しいと願います。

室井さんが70年経っても、忘れられなかった味です。
きっと子供たちの思い出の味となってくれることでしょう。


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