
2017年3月31日
30代で先代から杜氏を引き継がれ14年。伝統を守りつつも変化を恐れずに日々挑戦を続る蔵元「会津錦」の6代目、斎藤孝典さんにお話をうかがいました。
斎藤さんには以前、喜多方市で開催された「揚津棚田オーナー制度」に参加したときにお会いしていました。
自分たちで作ったお米で日本酒を造りたい。それが参加していた棚田オーナーたちの希望でした。
酒米ではなく食米の使用、小ロットでの注文。
それを快く引き受けてくださったのが「会津錦」斎藤さんでした。


食米でお酒ができるのか、と疑問に思いましたが、斎藤さんは「うちでは昔から食米で作ったお酒を自信を持って蔵出ししています。」とおっしゃいます。
米の削り方、温度管理などを研究し、地元産の食米で大吟醸まで造りあげる技術を確立されていらっしゃいました。
福島県オリジナル品種の「天のつぶ」はあっさりとした食味がお酒をつくるのにぴったりだそうです。
現在は、杜氏の斎藤さんと、蔵人の小竹さんのお2人で酒造りを行っています。
「食事と一緒に飲める飽きのこない酒を造っていきたい。」と斎藤さんはおっしゃいます。
若いお2人が醸し出す酒は甘口ですが、爽やかさもあり、食事とのハーモニーが楽しめる、「食中酒」にぴったりだと思いました。


棚田オーナーが収穫した棚田米でつくったお酒も辛さと甘さのバランスが絶妙な、まさしく「食中酒」です。
名前は「棚田の煌(きらめき)」です。
春の田植えから始まり、一番大変だった収穫の辛さも吹き飛ぶくらいのとても嬉しい「贈物」でした。

斎藤さんはこれからも、生活に密着した「食中酒」を極めていきたいとおっしゃいます。
まだまだ満足のいく酒は出来ていないとのこと。毎年、麹の変更や、水の度合いを工夫するなど調整を繰り返しながら、理想の酒を目指していかれるそうです。
進化を続ける「会津錦」の今後にご期待ください!

蔵人の小竹圭志(けいじ)さん(左)と杜氏の斎藤孝典さん(右)
合資会社 会津錦
【住所】福島県喜多方市高郷町西羽賀2524
【TEL】0241-44-2144