
2016年9月12日
南郷トマトは昼夜の気温差が大きい気候と真摯な生産者の取組み、雪室予冷による出荷体制で、高品質を誇っています。
その南郷トマトの生産地で新規就農され、今年で2年目を迎えられた鶴見竜也さん、智子(さとこ)さんご夫妻を訪ねました。
恵まれた環境で新規就農を決意!

茨城県ご出身の竜也さんと山形県ご出身の智子さんは会津高原のスキー場で出会いました。
お二人ともウィンタースポーツが大好き。
竜也さんは会津高原のスキー場へ通い始めた2シーズン目には家を借りてしまうほど会津高原が気に入って、冬はスノーボード、夏は南郷トマト農家でアルバイトというライフスタイルを確立。移住を決意した時に、アルバイト先の南郷トマト農家さんから「南郷トマト農家の仲間にならないか?」と持ち掛けられ、平成26年のご結婚を機に新規就農を決意されました。一方、山形県出身の智子さんは竜也さんより早い時期から会津高原が気に入って、10年以上アルバイトで通っていたため、何の不安もなく新規就農の決意をされたそうです。

農業経験の全くなかったお二人ですが、1年の研修期間を経て独立。初年度にハウス建てから用水の引き込み、3000本の苗の定植までをこなさなくてはならないという大変な作業も、困ったことがあればベテランのトマト農家さんにすぐに相談できるという恵まれた環境で成し遂げ、順調に2年目を迎えています。また、気軽に助け合える同期の新規就労者の方が8組もいらっしゃるということも、とても心強いとおっしゃいました。
農業を始めてからは生活のリズムも変わり、トマトの様子が心配で早い時間から目覚めてしまうのだそうです。
「農業は頑張っただけの結果が必ず返ってくるので、やりがいもあり農業の良さをひしひしと感じる日々です。」と竜也さん。
また、就農されたことに対して、両家のご親族もとても喜んでいらっしゃるそうで、トマトづくりを楽しみに訪れることも多く、ご家族の絆もさらに深まったそうです。
オンとオフをしっかり切り替え
会津高原はスキー場が点在するスキーヤーやスノーボーダーにとっては魅力的な地域です。
もちろん竜也さんも冬はスノーボードを楽しみ、春に向けての英気を養うのだとか。
そして、トマトづくりがあるからスノーボードが楽しめ、スノーボードがあるから、トマトづくりに励めるという、メリハリがある充実した生活を手に入れていらっしゃいます。
「こんなふうに好きなことがやれていると実感できる暮らしが幸せなんでしょうね。」と話される奥様の智子さんの言葉が印象的でした。

南郷トマトを通して育まれるポジティブな連鎖
新規就農者の受け入れは、高齢化が進む地域ではトマトの収穫量が減っていくことを食い止めるためにも不可欠です。
受け入れる体制を整えるということは、物理的なことはもちろんですが、実は人と人とのつながり様であり、お互いがお互いを必要とする事により、それを心地よく感じる暮らしが成り立つ事ではないでしょうか。
南郷トマトを通して、人が出会い、結びつき、助け合い、幸せになれるという素晴らしくポジティブな連鎖が生まれ続けています。
これは南郷トマトを通して今までに培ってきた宝物だと感じました。

鶴見竜也さん智子さんご夫妻
南郷トマト生産組合はその安定した品質と生産体制が評価され、第44回(平成27年度)福島県農業賞の集団・組織の部で大賞を受賞されています。
今後も末長く発展することを願います。