
2015年10月1日
今回は相馬市で50年以上農業をしている横田忠雄さんにおいしい野菜作りの秘密を伺いました。
横田さんは、トマト、ホウレンソウ、インゲン、ナス、サトイモ、ニンジン、米、大豆など多彩な作物を栽培しています。作物によって栽培方法が違うため、日々生育状態の観察と手入れが欠かせないそうです。


たとえば、水やりのタイミング。もちろん各作物によってその最適な頃合いは変わります。
トマトは、ある程度大きくなったら水やりは控えるそうです。そうすることで、糖度が増し、甘くて味の濃いトマトができあがります。
キュウリは、水をたっぷり与えるとまっすぐに成長します。
私が伺った日は相馬市でも珍しい程の暑さで、ホウレンソウなどの葉物野菜は少し元気が無さそうでした。このような時は朝夕の涼しい時間に多めに水をあげるのだそうです。暑い日中の時間ほど水が必要に感じますが、暑い日に土の中が湿ったままだと根腐れしてしまうと教えていただきました。
おいしい野菜を作る秘密は堆肥にも隠されています。
毎年冬の間に、米ぬかや鶏糞などを混ぜておくと手作りの堆肥ができあがります。

米ぬかや鶏糞の堆肥には、野菜本来の香りや味を出すことや、鮮やかな色を出す効果があるそうです。また、堆肥を入れることによって土壌の生産機能が向上し、野菜を栽培しやすい土を作ることができるとのお話でした。
横田さんの栽培する野菜は、相馬市にある「JAそうまふれあい旬のひろば」という直売所で販売されています。





「ふれあい旬のひろば」は、地元の農家のみなさんが栽培する、朝採れの野菜を販売しています。
地元の方だけでなく、遠方からも新鮮な野菜を求めて訪れる方が多いそうです。
2005年にオープンした「ふれあい旬のひろば」は今年で10周年を迎えます。震災時には、津波被害を受け、建物の壁が抜けてしまったため営業ができなくなってしまったそうです。営業ができない間は、野菜などを避難所に届けていたそうです。
震災の影響が大きかった相馬市ですが、農家のみなさんは変わらず農業を続けていたこと、そしてお客様からの熱い要望もあり、改装して2011年7月30日に再オープンを果たすことができました。
再オープンの際には、放射性物質の検査を行うことができる検査室も設置されました。
農家のみなさんは各作物の検査を行い、安全が確認されたもののみが店頭に並びます。
このような対策を行うことによって、お客様からの安心と信頼をさらに得ることができました。

お話を伺った横田忠雄さんです。
横田さんは野菜をはじめ、お米も栽培されています。
震災時、水田には津波が押し寄せたため、海水で水浸しになってしまいました。そのため、3回程水を水田に流しては捨て、塩を取り除きました。
米作りや野菜の栽培は震災以前と状況が変わってしまい、不安な気持ちもありましたが、自分にできることは農業を続けることだと考えていたそうです。
現在は、放射性物質の検査を行うことで安全を確認しているので、ぜひ相馬のお米や野菜を食べてほしいと仰っていました。
横田さんの新鮮野菜を食べに相馬市に来て下さいね。
JAそうま「ふれあい旬のひろば」
【住所】福島県相馬市尾浜字細田241-1
【TEL】0244-38-6311