
10数年前、テレビの人気バラエティー番組『進ぬ!電波少年』で懸賞生活を送ったタレントといえば?そう、“なすび”さんです。
なすびさんは福島県福島市出身。福島県民にはおらがまちのタレントとして抜群の知名度と人気があります。
そのなすびさん。震災後、仮設住宅を慰問に訪れたり福島県産品の販売会のお手伝いをしたりと、地元福島県のために精力的に活動なさっています。
今回はなすびさんに、福島県に対する想いや復興支援活動について熱く語って頂きました。
本日より2回に渡ってお届けします。
その1 頼ってくれる人たちがそこにいた (2015年4月28日公開)
その2 やらずに後悔するより、やって後悔する方が良い (2015年4月29日公開)
3割の支持があるということは凄いこと
バラエティー番組での大ブレイク後、全国的にタレント・舞台等の活動をこなしつつも、地元福島県のテレビ局で冠番組を持つなど福島県との繋がりを大切にしてきたなすびさん。
その地元福島県を襲った東日本大震災とそれに伴う原発事故は大きなショックとなりました。
「他の有名なタレントさんが福島県に物資を送ったり高額の寄付をしたりている、でも私は福島に生まれ育ったのに何一つできなかったんです。」
当時の心境をそう振り返るなすびさん。そのように自分の無力に苛まれている中、少しでも力になれればと避難されている方々の所に伺ってみると思いがけないことが目の前で起きたそうです。
「最初は自分が行っても仕方がない、自分には何もできない、といった気持ちがあったのですが、避難されている方々が“よく来てくれた”と涙ながらに喜んでくれたんです。
こんな私でも頼ってくれる人たちがそこにはいたんです。私は福島県の方々にこんなにも愛されているんだと。」
そこからなすびさんは決意します。福島県の復興のために自分ができる事をやろうと。
「福島の皆さんに寄り添って、自分ができることをやろうと思いました。不安はありましたよ。“あいつは福島の復興に便乗して名前を売ろうとしている”といった声が上がることは想像できました。
でもそういったことを躊躇して誰もやらないんだったら、福島県で生まれ育った私が手を挙げようと。もし批判の声が上がったとしても3割の人が理解して応援してくれればいいと、そう思いました。
だってあれだけヒットしたバラエティー番組だって視聴率30パーセントなんですから。3割の支持があるってことは凄いことなんです。」

実践者であるなすびさんの説得力の凄さに圧倒されました。私たちはできるだけみんなに支持されなければならないと思い“たった3割”と思いがちですが、実は“なんと3割!”という視点もある。そしてそれが自信に繋がっていく。このことを教えていただきました。
「仮設住宅にお伺いした時にみなさん大変苦労されていたところで、きっと大丈夫ですよといったことをお声がけしたのですが“(裸一貫で懸賞生活を送った)なすびさんにそう言われたらあの生活よりはマシかな大丈夫だなって思っちゃうよ”と笑ってくれたんですよ。
そのためにやっていたわけじゃなかったんですけれども、人生どうなるかわからないもんですよね。」
そう微笑まれるなすびさんの包容力のある姿を見て、きっと多くの方の心が落ち着きを取り戻したんだろうな、と。その情景が思い浮かぶようでした。
次回、やらずに後悔するより、やって後悔する方が良い は4月29日にお届けいたします。