
2014年7月29日
会津地方でも数少ない、有機JAS認定農家の「しらい農園」さんにおじゃましました。
しらい農園さんでは、主に、有機栽培の野菜と農薬5割減のリンゴを生産しています。
有機栽培はもちろんですが、農薬5割減でのリンゴ栽培もとても大変な作業だそうです。
会津若松市内にある有機栽培の畑を案内していただきました。
安全・安心を全面的に打ち出してきた、「有機農業」ですが、風評の影響はいまだに続いているとおっしゃいます。
それも1年ほどで終わると思っていたところ、思いのほか長く影響を受けてしまったとのこと。

「安心して食べていただけることを売りにしている商品なので、風評に敏感な消費者が多いのは当たり前のこと。しかし、風評の影響に負けないくらい美味しい作物を作るんだ!」とたくましい一言。

有機JAS認定を受けるためには、肥料の規制を始め、種の保管場所や用水路の使用にも厳しい規制があるとうかがい、とても厳格な規定が設けられているのだということがわかりました。
有機栽培で一番大事なことは、有機肥料を使った土作りだそうで、私がおじゃました開墾から10年目となる畑の土壌は、最高に良い状態になっているそうです。
作物に合わせた土作りをするのではなく、土に合わせた作物を作ることが肝心だとか。
きゅうりのビニールハウスに案内していただくと、葉にアブラムシが付いていて、枯れかかっている枝もありました。


7月上旬のこの時期は仕方のないことだそうです。
こうなると、新しい芽が出るまで諦めるしかないのだとか。
有機栽培では、虫がついたから殺虫駆除をするのではなく、天敵のテントウ虫やカエルが現れる時期までどうやってしのぐかという発想なのだそうです。
その方法は「葉に水をかけて、アブラムシを流し落とす」というものでした。
原始的な方法に見えますが、水をかけて、アブラムシを落とし、乾燥を防ぐことで、アブラムシが寄り付かなくなる一石二鳥の対策なのだそうです。

「ハウス栽培では ハウス内の温度を60度に上げることで、アブラムシを除去する方法があるが、テントウ虫やカエルの天敵も除去してしまうので、あまりやりたくない。作物がダメになっても笑っていられるくらいの余裕がないと有機栽培はできない。」と笑いながらおっしゃっていたことに驚きました。
畑でもぎたてのきゅうりをいただきました。


皮が柔らかくて、苦味が全然なく、とても甘いです。
白井さんは、化学肥料のなかった、明治時代や昭和時代初期と同じ栽培方法で野菜を栽培しているということです。
また、有機栽培の場合は肥料も消毒も関係ないので、多くの作物を自由に植えることができるそうです。
この時期は、モロヘイヤ、ツルムラサキ、ツルナ、トマト、きゅうり、ナス、ズッキーニ、唐辛子、ピーマン、インゲン等の栽培が真っ盛りでした。

モロヘイヤ

ピーマン

ズッキーニ
「畑での野菜作りや山でのりんご栽培が大好きだ。私にとって農業は喜びだ。」と白井さんはおっしゃいます。
そして、「安全で、安心して食べていただけるような美味しいと感動されるものを作りたい。」と、目を輝かせ、はつらつとした声で話す姿が印象的でした。

しらい農園
【住所】福島県会津若松市門田町一ノ堰60
【TEL】 0242-29-2150