「メヒカリ」です。

2014年4月1日
広大な県土を誇る福島県。農産物だけではなく水産物の宝庫でもあります。
黒潮と親潮がちょうど交わる“潮目の海”と呼ばれる場所が、福島県の沖合にあたるとあって、様々な魚種を水揚げすることが出来ます。
福島県内でもっとも海に接する面積が大きいのはいわき市ですが、みなさんはその“いわき市の魚”が何だかご存知ですか?
そうそれは“メヒカリ”。平成13年10月1日いわき市の「市の魚」に制定されました。目が非常に大きく青緑色に光るという特徴を良くとらえた、可愛らしいイメージキャラクターデザインを、市内あちこちで見かけることが出来ます。

いわき市の魚・めひかり イメージキャラクター「メピカリ」
メヒカリは「アオメエソ」「マルアオメエソ」などの総称ですが、その体長に比較しての目の大きさと光る特性から“メヒカリ”として一般に親しまれています。
身は白身で柔らかく大変上品な旨みがありますが、いわき沖のメヒカリは特に脂がのって美味しいと言われています。

特徴的なメヒカリの目

昔は干物にするくらいの食べ方しかしなかったそうですが、いわき市の魚に認定されてから、その人気がヒートアップ。から揚げが特に親しまれていますが、新鮮なものを刺身にすると絶品だそうで、水揚げされる現地ならではの楽しみ方になっています。
また、メヒカリ料理コンテストも開催されており、メヒカリの魅力を再発見する試みも行われています。
そのメヒカリ文化も原発事故によって存亡の危機に立たされていましたが、関係各位の海洋・海産物の厳密なる調査・状況把握、そして疑わしい海域・魚種を外し、流通ルートを明確化するなどの対応を取ることによって、試験操業を行うまでになり、メヒカリも2012年の11月に試験操業の対象魚種として水揚げされるようになりました。
このようにして、徐々に皆さんの食卓で楽しんでもらえるようになってきています。
JF福島漁連試験操業ポータルサイト http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/siso/sisotop.html
実はメヒカリは謎の多い魚です。雌雄同体で、なんと今まで卵を持った成体が確認されたことが無いそうなのです。水深200~700メートルという比較的深海に住むと言われています。
美味しいメヒカリに舌鼓を打ちながら、深海のロマンに思いをはせる、そんな楽しみ方もできるかもしれませんね。
(記事:コッシー情報員)