今回は岩代伝統野菜についてお話を伺うために「あぶくま伝統野菜を作る会」会長、菅野寿雄さんのお宅にお邪魔しました。
岩代地域の活性化に貢献したいとの想いで、平成18年「あぶくま野菜図譜をつくる実行委員会」を立ち上げ、
菅野さんが委員長を務めていました。平成21年、あぶくま野菜図譜が完成したので、活動内容の変化とともに、
会の名称を「あぶくま伝統野菜を作る会」に変更し、伝統の豆を用いた納豆や豆腐をつくりました。
現在は、会員13名、作付け農家20名で活動されています。
地元の安達東高校の協力、生徒さん達の参加で、これまでに様々な活動をしてきました。
まずは、岩代地区の伝統野菜の栽培状況の調査を始めたところ、複数の農家で手応えがありました。
なかには、100年以上も自家採種されている野菜もありました。
『伝統野菜』
何度も耳にしていましたが、どのようなものが伝統野菜と言われているのか教えていただきました。
その土地で古くから作られてきたもの(岩代伝統野菜は50年以上)で、自家採種を繰り返してきたもの。
その土地の気候風土にあった野菜なので、農薬の使用回数が少なくても病気にかかりにくく、立派な野菜ができるそうです。
収集できた岩代伝統野菜は、
・柿(岩代西念寺柿)
・キュウリ(岩代昔胡瓜)
・カボチャ(岩代地南瓜)
・サトイモ(岩代伝統里芋)
・ダイズ(岩代茶豆)
・ダイズ(岩代五葉黒豆)
・アズキ(岩代土用小豆)
・ネギ
・ほうれん草
【左から】キュウリ(岩代昔胡瓜)、カボチャ(岩代地南瓜)、ダイズ(岩代茶豆)
岩代学講座を開き、地元偉人の業績の講演、高校生の研究発表、岩代の伝統食「ザクザク」や
伝統野菜の試食などを行ってきました。
今までに商品化されたものは、五葉黒豆と茶豆を使った2種類の豆腐と『オバマ納豆』。
オバマ納豆は、旧岩代町小浜地区で生産されていることからオバマ大統領にあやかって名付けられました。
とっても素敵なデザインのパッケージで、当時この地区の郵便局の局員さんがデザインしたそうです。
残念ながら現在は作付ができず、材料がないことから、販売はしていません。
ちなみに商品化されたものの中には「納豆バーガー(1個280円)」というご当地バーガーがあります。
平成22年産の豆を使用した納豆入りのパテを使用しています。
道の駅安達の地域物産コーナーで販売されており、人気ランキング第4位です!
お立ち寄りの際はご賞味くださいね♪
会が軌道にのってきたところで震災に。豆類から基準値を超える放射性物質が検出され、
平成23年に収穫したものは廃棄、平成24年度は作付けを自粛している状況です。
「伝統野菜・伝統食を通して歴史や食文化を知り、これを宝物としてこの地に住んでいることを誇りに思って欲しいと願ってます。」とおっしゃっていました。
みんなで取組むことにより前向きになれるとのこと。
来年度は、昨年開催できなかった岩代学講座を復活させ、
放射性セシウムを吸収させないような栽培方法に取組むなどあらゆる方法で試験的な栽培をし、
努力したいと思っているそうです。
「その時はまた取材に来てくださいね。」と菅野さん。
明るい希望とともに、岩代伝統野菜の復活を願っています。