「ほどよい脂と食感がよく、肉のうまみが素晴らしいんです」と、「会津地鶏」について語るのは
東京都大田区『炭焼 歩ム』の店主、石井一貴さんです。
7年間焼き鳥店で修業したのち、7年前に自分の店を出そうと決めた石井さんはさまざまな地鶏を研究します。
その頃会津三島町の「会津地鶏みしまや」代表取締役小平和広さんを紹介されたのです。
「小平さんは、ちょうどそのころ本格的に会津地鶏を広めようと事業を始めたころでした。
お互いのタイミングもよかったんですね。試食会で食べさせてもらった、その味が忘れられませんでした」
以後7年間、小平さんの育てた会津地鶏に惚れ込んだ石井さんは、店の焼き鳥はすべて会津地鶏で通しているのです。
「会津地鶏」の由来ついては諸説あるようですが、小平さんの説明によれば次のようなものです。
「昔平家が会津に落ち延び、愛玩用に連れてきたといわれる会津地鶏は、400年以上も前から存在は確認されていましたが、絶滅寸前と言われていました。ところが昭和62年、ある農家で飼われていた会津地鶏が発見され、その後県の養鶏試験場で復活させることに成功したのです。今では味のよい地鶏として出回っています。その独特のうまみを成分分析すると『グルタミン酸』や『イノシン酸』、つまりうまみ成分が大変多いのです」
いただいてみますと、確かにうまみが強い!
「ぼんじり」(240円)は、脂の多い尾っぽの部分ですが、その脂がほどよく焼きあがっています。
「白子」(250円)は、濃厚な味わいです。「もも一枚焼き」(1800円~)は、会津地鶏のうまさを豪快に味わうことができました。
【写真左】ぼんじり、【写真中央】白子、【写真右】もも一枚焼き
石井さん、そして奥様のなおみさん、ともに福島出身ではありません。
けれども、会津地鶏と出会ったことを「縁」というのでしょう。
「福島の方もよく来てくださるんですよ。震災の後も、客足が落ちるどころか、かえって増えたくらいでした。
みなさん、応援してくださって。しばらくはお酒も東北のお酒しか注文が出なかったですね(笑)。」
年に一度は二人で会津を訪れ、会津地鶏が育つ場を見て、地元に建てられている「地鶏の慰霊碑」に手を合わせるのだそうです。
お二人は言います。
「この店は福島に支えられているんです。
『歩ム』という店名は、一歩一歩努力を重ねていこうという意味です。これからも福島とともに歩んでいきたいと思います。」
炭焼 歩ム
【住所】東京都大田区東嶺町45-2
【TEL】03-3759-7039
【営業時間】午後5時30分から~深夜0時(ラストオーダー) 【定休日】月曜日(祝日の場合営業、水曜休み)