先日取材にうかがった「株式会社おくや」さんの契約農家さんである、山本さんにお話をうかがってきました。
ご主人を早くに亡くされ、92歳になられるお義父様と二人で畑を耕す毎日。
野菜やきのこの他に、黒豆、小豆、大豆等は以前から栽培されていました。
2年前に山本さんの知人から、「おくや」さんが落花生の契約農家を探しているので、協力して欲しいと頼まれた時には、
落花生の栽培経験がなかったこともあり、迷ったそうです。
しかし、「昔はここでも落花生を作っていたんだよ」というお義父様の言葉に励まされ、栽培を始めました。
落花生の生産では千葉県が有名ですが、会津でも昭和50年頃は栽培の実績があったそうです。
その後、中国の落花生が入ってくるようになり、落花生の栽培はしなくなったようです。
最初の種が「おくや」さんから配られ、撒いてみたところ、気象と土壌の条件が良かったせいか、
とても大きな落花生ができたそうです。
落花生は花が咲いた後、子房が伸びて土の中に入ってマメになります。
オイリーで甘い落花生は加工品に向いています。
「おくや」さんが美味しい豆製品を作ってくれるので、販路を心配することなく、生産することに集中できると感謝し、
「私は良質の豆を一生懸命生産することが役割です。6次化の最初の部分を担っているのはとても責任を感じますが、
やりがいも感じます。」とおっしゃる山本さん。
山本さんは、「豆の魅力は無限だ。」と話してくださいました。
最近では仲間と手作りの納豆や豆腐の販売も始められたそうです。
そして、豆は窒素を吸い上げて土地を豊かにもしてくれます。
豆作りは手作業の多い、とても手間のかかるものです。
「おくや」さんが推奨するのは、設備投資のリスクを負うことなく、生産性を上げるということ。
山本さんは昔の手動機械を譲ってもらって、活用されています。半手作業なくらいが丁度良いとおっしゃっていました。
そして、「おくやさんや農家仲間と未来に向けて会津を豆でいっぱいにする夢は始まったばかりです。
会津といえば豆、と言われるくらいになるまで頑張っていきたい。」と話されていました。