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ラジオDJ・ナレーター やまだひさしさん 編 -その2-

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今回お会いしたのはTOKYO FM「シナプス」、JFN系列全国38局ネット「やまだひさしのラジアンリミテッドF」の
メインパーソナリティーを務めていらっしゃる、ラジオDJ・ナレーターのやまだひさしさん。

雑誌『エココロno.64』(http://ecocolo.com/)の連載『やまだひさしのGREEN×TALK』に
ゲストとして招かれたことが初めての出会いでした。

やまださんは、ご自身のCDの売り上げから得られた復興支援義援金をもとに、
「南三陸たこやき大作戦!」(http://yamadamic.com/takoyaki/)を展開されるなど、
被災地復興ご支援くださっています。

 

今回は-その2-です。
その1  福島の現状が伝わらない (2012年12月5日公開)
その2  福島だけの問題ではない (2012年12月6日公開)
その3  新たなる可能性     (2012年12月7日公開)

 

福島だけの問題ではない

続いて、福島県の農産物の今後について話をしました。

震災については風化していくけれども、福島県産品に対する漠然としたネガティブなイメージだけは残っていく、
これは非常に厄介な問題。
目の前のスーパーに買い物に行き、同じ農産物で福島県産と他県産があった時に、多くの人が他県産を手に取ってしまう、
これをどうすればいいかということについてずっと考えていた。 と、やまださん。

そういった状況にあると、需要が急激に高まる地域が出てくるわけで、
利益を得るために産地が福島でないだけの手抜きの粗悪な農産物を出してくる、
つけ入るスキに便乗してくる悪意のある人が出てくるということことだって、可能性は十分あると思う。
それを防ぐためには、自らを守る意味でも農産物を実際に手に取る消費者自身が良くこのことを考えなくてはいけない、
そういった内容のお話をされました。

正直、私にはこの視点はありませんでした。
しかし、現実として福島県産の農畜産物を買い、産地偽装をして販売する事件が起きている以上、
やまださんのおっしゃることも杞憂であるとは言えません。
もしかすると、多くの方が福島県の農業・農産物だけの問題であると思っていた昨今の種々の問題は、
実は日本全体の農業・農産物に悪影響をもたらしているのかもしれません。

そのことを認識することができたやまださんのお話は、本当に目からうろこでした。
そういった問題を引き起こさないための方策にも話が及びました。

生産者や農産物を扱う業者が、安全性や栄養価・糖度などを分かりやすく説明あるいは提示することによって、
選択することが出来る、早くそうなってほしい。
シンボリックな産品が出てきてほしい。

まさに我々、福島県の農業関係者が”まず”目指すところはそこであると、私も思いました。
福島県農業の抱える問題の解決は、日本農業の抱える問題の解決でもあるのです。

 

自分の物を高める

実際に農産物を手に取られる消費者の方々との関係性の話も、非常に興味深いものとなりました。

相手の弱みやアラを探したりするのではなく、自分の物をとにかく高めていって凄いものにしていけば
必ずファンが味方してくれる。
その人は美味しいものを待っていてそれを作ってくれるから買ってくれる、このシンプルな関係性を守っていけば、
そこさえきっちりつながっていれば大丈夫。これは農業に限らずどんな商売でもそうかもしれない。

僕の考えを嫌いだ・もう聞かないといってくる方も中にはいるけれども、その方たちだけに対峙しているわけにはいかない。
僕の人生は有限だしそんなに長いものでもないので、聞いてくれてありがとうと言える方たちとの関係性を大事にしたいし、
その人たちがもっと仲間を増やしてくれれば僕はうれしいから。

これはあきらめというよりは建設的な話かもしれないかな。

やまださんご自身の経験をふまえた言葉は、まさに”腑に落ちる”という感覚そのものでした。

『作って終わり』だとそこから先がイメージできない。
売り先をコーディネートしてくれるような流通の人がもっと増えてくると、農業が活性化するのではないか、
ともやまださんはおっしゃいました。

農業者でも必死にコーディネートしようとしている人はいます。しかし、生産も行わなければなりません。
オーバーワークになり、品質も下がり、疲れ果ててしまっては元の木阿弥です。

これから福島県の農業に可能性を感じてくれるコーディネーターとの出会いとパートナーシップ。
言葉にすると簡単ですが非常に難しいことです。
しかし、ここが福島県農業復興のキーポイントであることは間違いないと思います。

 
 

次回、「新たなる可能性」は12月7日(金)にお届けします。


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